26日、森保一監督がコスタリカ戦に向けて公式会見での駆け引きを繰り広げた。

「明日のコスタリカ戦に向けてドイツ戦後の3日間、選手はいい準備をしてくれた。明日の試合に向けても、選手たちにはチーム一丸となって粘り強く最後まで戦う、勝利目指してアグレッシブに、我慢強く戦ってほしいと思っています」

そう切り出した森保監督は各国の報道陣の質問に答える。だが、いつもは正直すぎるほどの回答をしてしまうこともある森保監督が、ワールドカップが始まってからは笑顔でうまくはぐらかす場面が目立つ。

ゲームプランを聞かれると「コスタリカは非常に身体能力の高い選手が多いし組織としても戦えるチーム」「初戦では0-7と大敗したが、だからこそ我々との戦いにかけてくる」と分析しつつ、「やるべきことをしっかりやる」「我々が状況に対応して最終的に勝利できるように」と具体的なことを一切語らない。

メンバー選びへの疲労の影響については「まずは明日のベスト」「疲労はもちろん考慮しながら」「メンバーは試合前の発表を楽しみにしてもらえれば」と何も明かさないで終えた。

ドイツ戦の勝利に触れながら聞かれると「ドイツ戦での勝利は明日のコスタリカ戦の勝利を約束してくれるものではない」「明日のコスタリカ戦に気持ちを切り替えて勝つことが大切」と口調は柔らかいもののピシャリと称賛をはねつける。

また戦術的な質問を振られると「勝利するためにベストのメンバーを選ぶ」「状況に応じて対策を考えるということに変わりはない」と手を明かさず、海外の記者からコスタリカの選手について聞かれても「名前を挙げると明日その選手の調子よくなっては困るのでちょっと控えさせていただきます」と笑いを誘いながら回答を拒否した。

森保監督には日本の報道陣も協力。会見前の練習では酒井宏樹と冨安健洋が別メニューだったが、事前の申し合わせなどはなかったのに誰もその点について質問せず、公式な場で森保監督が回答しないですむようにした。

森保監督は報道陣も巻き込みつつ、コスタリカ戦に向けて準備を整えている。


【文:森雅史@ドーハ/日本蹴球合同会社 撮影:岸本勉/PICSPORT】