全国統一協会被害者家族の会(以下、家族の会)の相談会が11月26日、都内で開かれ、13組の家族が集まった。相談会は7月の銃撃事件以降、8月に続いて2回目。

同会への相談は、今年度初めの月は1桁だったのが、7月94件、8月114件と急増。9〜11月も30〜40件で推移している。数千万円の聖本が何冊もあるなど5億円以上の被害を受けた90代の夫婦もいるという。相談者からは教会側が事件以降、証拠隠滅をはかっているのではないかと疑われる証言もあった。

元2世信者の小川さゆりさん(仮名)も会場に駆けつけ「私もメンタル的にきついこともあるけど、仲間なので話を聞きたいなと思って来ました」と話し、脱会したばかりの女性Aさんと交流するなどした。

●元信者「異次元にいた」という実感

相談会では、元信者やカウンセラーが相談役となり、訪れた家族と対面した。通算20年所属していて、最近退会したAさんは同じ境遇の人と話してみたいと会場に来た。「今はまだ少し気持ちが付いていかないことがある」というが、最近は関連書籍を読むなどして過ごしているという。

対応したのは20代から20年以上経て脱会し、裁判もしたという女性。Aさんはぽつりぽつりと教会での出来事を話し始め、女性に「『為に生きる』『与えて忘れなさい』と言われて、家族のために頑張ってきたんだもんね」と促されると、ハンカチを握りしめ涙ぐんだ。

「なんだか異次元の世界にいたみたいよね」「あの時はさ、全部言うこと聞いて優等生だったわね」と2人は徐々に打ち解け、家族には理解してもらえないという信者だった当時の話を分かち合った。

●教会による証拠隠滅活動をにおわせる証言も…

相談者の中からは、教会側の証拠隠滅とみられる行動が事件以降、目立っていたとの証言も飛び出した。8〜9月ごろ、教会内の書類の整理が膨大な量で、シュレッダーにかけたごみを業者が取りに来ていたという。

また、幹部から「ちょっと携帯貸して。消すね」と言われ、履歴を消されたとの証言もあった。また、謎のビデオ収録もあったという。亡くなった時のために最終的には外部には出さないと言われて撮った。「●月○日」「名前」などを言った後「いまどんな気持ちでやってますか」と問われ「楽しくやってます」などと答えたという。

全国霊感商法対策弁護士連絡会の弁護士によると、こうしたビデオ収録は複数の教会で確認されており、裁判で「献金が自由意思だった」との証拠に使われる可能性がある。献金について一額の返金を要望しないとする念書とともに、教会側が取っている返金対策とみられるという。

●小川さん「疑問を抱くきっかけになれた」

Aさんは、小川さんの会見を見たことが脱会の一つのきっかけだったという。小川さんの親から署名入りで中止要請が入り話題となった10月のことだ。会見中、教会側の意見を踏襲することを言うAさんを見て、Aさんの娘が体に異変を来してしまったのだという。「苦しんでいる娘の背中をさすりながら、現実を見なければと思った」と当時を振り返った。

この話を聞いた小川さんは「自分の行動で、何か疑問を抱く、気づくきっかけになるというのは聞いていて、ありがたいなと思っていた。でもこうして直接お会いして声を聞くことができて良かった」と話し、両手で握手を交わした。