アダルトビデオ業界は今、かつてない岐路に立たされている。今年6月23日、アダルトビデオへの出演強要被害を防ぐために『AV新法』が施行。メーカー、制作スタッフ、女優、 男優……AVに関わる人間たちそれぞれが、今後の業界が進むべき道を模索している状態だ。

 そんな中、2022年10月17日に現役のセクシー女優が所属事務所の取締役に就任したというビッグニュースが届いた。彼女の名は栄川乃亜さん(24歳)。2016年7月にデビューし、アイドル活動にもまい進。恵比寿マスカッツのメンバーとしても活躍した人気女優である。

 彼女はなぜ、セクシー女優と事務所の取締役の兼任を決意したのか。詳しい話をうかがった。

◆現役セクシー女優として初の取締役に

--業界的には初めての試みですよね。どういった経緯での就任だったのですか?

「実のところ、ライフプロモーション(所属事務所)の会長さんから『どう? やってみない?』ってくらいの軽いノリだったんです。それが就任を発表する2〜3ヶ月前のことでしょうか。
 
 今回の件は、現役セクシー女優兼取締役という“肩書き”のためではなく、実際の現場で働く女優でもある私が事務所の内部に入ることで所属女優さんたちのためになるのでは? という考えの延長上で決まったことなんですよね」

--それが結果的に取締役という形になった、と。ではなぜ、栄川さんに白羽の矢が立ったのでしょう。

「YouTubeをやるようになってから、個人的に同じ事務所の女優さんと食事に行ったりする機会が増えたんです。実はこうやって女優同士が現場以外で会うことって、これまでなかったことなんですよね。

 ただ、仕事で会ったことがない女優さんとは、なかなか機会がなくて難しいという部分もあって。これまで私が女優としてやっていたことを、違う立場になってしてみてもいいんじゃないかと」

◆肩書きがあることで相談に乗りやすくなる場合も

--栄川さんが取締役になることでのメリットとは?

「これまで会うことができずにいた女優さんや新人の子が話しやすい環境が作れるというのが大きいのですよね。女優対女優だと、きっと緊張してしまったり、遠慮してしまったりする子もいるだろうし、『話さなきゃ』みたいにプレッシャーになる可能性もあると思います。かといって、私の方から寄っていくと断りづらいでしょう。

 それだったら、しっかりと『栄川乃亜取締役による相談会』みたいに制度化してしまって、向こうから来てもらえるスタンスにした方がいいんですよ」

--あくまでも取締役であり、動き方はマネージャーとは違うのですよね?

「はい、そこは違います。女優さんと会う機会は圧倒的にマネージャーの方が多いわけですよ。でもずっとマネージャーからは『自分たちは、あくまでもマネージャーの視点でしか話せない。本当は、その子たちと同じく裸になっている栄川の方が彼女たちに響くことが言えるのでは?と思うような場面が多々ある』と聞いていました。

 とはいえ、撮影現場のことに関しては、マネージャーの方がスタッフや監督的な立場で応じられるので。私にはイベントでの立ち振る舞い方やファンとの接し方についての相談事が多いですね」

--確かに栄川さんはバラエティ番組、トークイベント、音楽系のライブまで幅広い活動をしてきていますよね。

「私はすべて自分で経験しながら独自に学んできましたけど、まだよくわかっていない女優さんに『できるかどうか不安だから』って理由で仕事を断らせちゃうことが一番もったいないと思うんですよね。

 その前に一回私に聞いてもらえれば、何かしらのアドバイスはできるはずなので。あと、現場のことに関しても『わかるわかる』って共感ができるので、不満があってもはけ口として利用してもらってもいいんじゃないかと。『思ったより長く時間かかっちゃって〜』くらいのことでも構わないので。それくらいの気軽さで、今後やってみたいことなんかも打ち明けてくれればと思います」