写真持ち込みでの免許更新に挑戦

 クルマなどを運転する際には必要となる運転免許証ですが、なかでも免許証の顔写真は、基本的に免許証の更新をおこなう際に施設内で当日撮影された写真が使用されます。

 このため、時には不本意な表情や写り方となった免許証が発行された経験がある人もいるでしょう。

【画像】ぜんぜん違う!「水色」と「ピンク」の免許証を比較した画像を見る(11枚)

 また、この場所では納得いくまで撮り直すようなことはできないため、もし写真が不本意だったとしても諦めて完成した免許証を次回の更新まで数年間使用する必要があり「あまり他人に見せたくない」という声も聞かれます。

印象がぜんぜん違う! 背景色がピンク色の免許証!

 また、免許証の写真の背景色は「水色」の単色が一般的となっていて、あまり個性を主張するようなデザインではありません。

 ところが、実は事前に撮影しておいた写真を持参することで、ある程度は希望に沿った写りや好みの背景色が印刷された免許証を手に入れることが可能だといいます。

 では、それにはいったいどのような手順をおこない、どんな写真を用意すれば良いのでしょうか。

 また、持参写真の割合や持ち込みならではの注意点はあるのでしょうか。

 ちょうど筆者に免許証更新のタイミングが迫ってきたため、実際に写真を持参しつつ、某運転免許試験場の担当者に話を聞きました。

―今年2022年の段階で、持参写真を使用しての免許証更新をおこなっている人はどれくらいいるのでしょうか。また、持参写真を使用する際の注意点について教えてください。

(免許センターの担当者)「正確なデータはありませんが、おおよそ1%ほどの方が写真を持ち込んで免許を更新しています。

 持ち込み可能という認知が進みつつあるものの、まだまだ現場で直接撮影する人の方が圧倒的に多数ですね。

 また、せっかく持参いただいたにも関わらずその写真が使用できない方も少なくありません」

―その写真はどういう理由で使用できなかったのでしょうか。

「持ち込んだ写真はこちらで再撮影した上で免許証に印刷されるため、その過程ではどうしても画質が劣化してしまいます。

 そのため持参された写真の画質がその時点ですでに荒めであった場合には、免許証完成後にはもっと荒くなるため、そのような持参写真の使用はお断りしています。

 また、表面に傷のついている写真などももちろん使用できません。

 過去には上記のような状態の悪い写真が持参され、当人と話し合った末にその写真で免許証の発行までおこなった例もありました。

 しかし、やはり完成した免許証に当人が満足できず、後日あらためて別の写真で作り直していました。最初の発行分のお金も時間も帰ってこないため非常にもったいないと思います。

 しかし現在では持参写真への審査がよりしっかりおこなわれるため、先程のような発行後に作り直す方はほとんどいなくなっています」

―なるほど。では画質や傷以外にも注意する点はありますか?

「先ほどお話したように、持参写真は再撮影した上で免許証に印刷されるため、画質の劣化に加えて『色合い』も変化します。

 その部分については指定や変更はできないため、それも承知の上での持参をお願いします」

これまで見てきた中で「もっとも驚いた写真」とは

―これまでに持ち込まれた写真で、変わったものはありましたか?

「最近ではPCやスマホでの写真加工技術が広く普及した影響もあるのか、持参写真でも画像加工の施されたものを用意してくる方がいます。

 しかしもちろん免許証は身分証明書でもありますので、当然ながら加工はだめです。

 もっとも驚かされた写真では、顔の下半分を他人の顔にしたりと、一目では分からない、驚くような合成写真が持ち込まれた例もありました。

 しかしそのような加工をされても、新しい免許証を発行する前には『過去の免許証の写真」と『今回持参した写真」で顔のパーツの位置が一致するかをコンピューターで確認していますので、合成写真の場合は一致率が低いと判断され、すぐに分かります。とはいえ、そこまでの写真はなかなかありませんが。

明確化された不適正な写真の一例(画像:警視庁)

 一般的に注意する内容としては、写真の頭の上に必要な余白が無いと使用できませんので、その点や写真のサイズに注意してください。

 その他には主に以下のような基準がありますので、これに沿った写真をフォトスタジオや証明写真機で撮影いただければ基本的には大丈夫です。

○免許写真に使用できる主な判断基準

・写真のサイズは「縦3cm×横2.4cm」

・頭上に余白(3mm程度)がある

・頭に帽子や布をかぶっていない(宗教上又は医療上の理由がある場合を除く)

・顔も目線も正面を向いている

・上三分身のもの(近すぎない、かつ遠すぎない)

・無背景(後ろに何も写り込んでいない)

・顔や服装が背景に同化していない

・適度な明るさ(明るすぎない、暗すぎない)

・髪や眼鏡で目が隠れていない

・目を細めたり閉じていない

・口を大きく開けていない

・マスクや衣類で顔の全体や一部が隠れていない

 過去には背景がグラデーションの写真などは持ち込まれても使用できないなど、あるいは地域によって多少のバラつきがあったようですが、現在では規制はかなり緩和されており全国で統一されたルールも周知されているため、それに抵触しなければ使用に問題はありません。

 また、写真の基準以外の注意点ですが、持参写真での免許証は通常撮影の免許証と比較して作成に時間がかかるため、急いでいるような場面は避けて、時間に余裕をもって動くことをおすすめします。

 最後に、更新場所により持ち込み写真を受け付けていない所もあるので、事前にインターネットなどでご確認いただくようご注意ください。(例えば東京都であれば府中、鮫洲、江東の運転免許試験場のみなどが対象になります)」

※ ※ ※

 今回、筆者も持参写真での免許更新を実際に試してみましたが、事前の準備に多少の手間はかかったものの免許証の発行前に完成形が想像できたため、悪くない仕上がりになったと感じています。

 免許証を人に見せる機会の多い人、自分の持ち物にこだわりのある人、話のネタにしたい人など、ぜひ興味のある方は一度挑戦してみてはいかがでしょうか。