「メールがわかりづらい」と言われる人は何を押さえていないのでしょうか?(写真:Yuri Arcurs Peopleimages/PIXTA)

上司に承認をもらいたくてメールをしたのに、なかなか返事がこなかったり、来たと思ったら、全然関係ないところをつっこまれて、承認がもらえなかった……という経験はありませんか? すぐに承認をもらいたいときはどうすれば?

「誰でも、埋めていくだけで、話すより速く、誤解なく伝わる文章の型」をまとめた新刊『THE FORMAT―文章力ゼロでも書ける究極の「型」』より一部抜粋、再構成してお届けします。

内容に過不足がない文章の「型」

今日紹介するのは、上司に承認をもらいやすくするためには、どう書けばいいか? という悩みへのお答えとなるフォーマットです。

「承認」は、内容に過不足があると、上司からのツッコミや質問が入りやすくなり、なかなかスムーズに進まないもの。

また、伝える内容が複雑になるため、書きながらだんだん面倒になって、「電話した方が早いんじゃないか……?」と思ってしまいやすい内容でもあります。

でも、次にお伝えする「承認のフォーマット」に沿って書くことで、一発で承認されやすくなります。

「承認のフォーマット」はこちらです。

1.この文章を、何のために書くのか

2.誰が読むの?

3.現状はこうなっています

4.現状の課題はこれです⇒現状の課題に行き着いた元データはこれです

5.この課題が発生している仮説はこれです

6.仮説の元になっているデータや根拠はこれです

7.解説するための施策はこれです

8.7によってこういった効果を期待しています

9.これで進めて問題ないか

10.いつまでに返事が欲しいか


(外部配信先ではフォーマットや実例などの画像を全部閲覧できない場合があります。その際は東洋経済オンライン内でお読みください)

4番の項目を見て、「データを作るのは面倒だなあ、ここは省いちゃおう」と思っている人もいるかもしれません。

しかし、質問を受けたとき、「それについては、ここに書いてあります」と言えると、承認は確実にスムーズになります。

「忙しい上司」ほど、質問する余地がなく、決定だけすればいい、もしくは何を議論すればいいのかがわかりやすい資料を作ってくる人のことを、「こいつと話すと、時間の無駄がないな」と思うもの。

すると、結果として、経営陣と直接仕事をするようなポジションに任命されることが多くなるように思います。

とはいえ、承認を得るために議論をしなくてはいけない場合もあります。でも、上司から目的と関係のないツッコミをされて、肝心の議論が時間切れになってしまうことってありますよね。そんなときは、以下のようなフォーマットに、「これだけ」をまとめた資料を作ります。

ゴールをしっかりと書いて示しておくと、議論がぶれにくくなります。

方針を決める相談のフォーマット


あらかじめ論点を指定しておくと、掘り下げておきたい論点もこちらで提示できるので、会議の流れをコントロールすることができます。

これを書いておくだけで、細かい点が気になるタイプ、権力をアピールしたいタイプの上司などからのつまらないツッコミが激減し、やりとりがスムーズに進みます。


フォーマットを使うことで、「書くスピード」は劇的に上がり、そして、相手を同じ目的地へと導くことができるようになります。

大事なのは、内容を分けて書くことで、相手が理解しやすくすること。

そして、読む側が聞きたいことを書くこと。

こうすることで、聞かれる時間を省き、早く、イライラされることなく仕事を終わらせることができるようになるのです。

かみ砕いて書くことは、指示を出す側、提案をする側、報告をする側など、書く側の仕事です。

(石倉 秀明 : 株式会社キャスター 取締役CRO(Chief Remotework Officer))