今月18日、タイの移動式遊園地で稼働中の絶叫マシンから乗客が投げ出され、子ども4人と大人1人が負傷した。これは当時の係員が安全バーの確認を怠り、ロックが外れた状態でアトラクションが稼働してしまったことが原因だと報道されている。4人の子どもは打撲を負った程度だったが、大人1人は手首と腕、骨盤を骨折する大けがをしたという。『Metro』などが伝えた。

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事故は今月18日午後6時半、タイ南部のクラビー県ムアンクラビー郡クラビーノーイで開催されていたイベント内の移動式遊園地で発生した。該当の乗り物は「クレイジー・ウェーブ(Crazy Wave)」というアトラクションで、横方向に座席が並び背後の壁面から伸びた2本の支柱が時計の針のように動き座席が設置された台を大きく回転させる仕様になっている。

事故当時は乗客が少なめで、当時の様子を捉えた動画には乗客が中央付近に集まるようにして座る様子が映っていた。ゆっくりと1周目の回転が始まり2周目に入るとすぐにスピードは上がり始め、そして回転が3周目に入り座席部分が頂上に達し勢いよく下方向に動いた瞬間、一部の乗客の体が宙に浮いてアトラクションから投げ出されてしまった。

この事故で10〜15歳の子ども4人と、キリティヤワディ・チャイチャーナさん(Kiritiyavadee Chaichana、34)が約3メートルの高さから地面に落下して病院に運ばれた。子どもたちは打撲を負ったが命に別状はなく治療を受けた後に帰宅することができたが、キリティヤワディさんは手首と腕、骨盤を骨折する大けがをして現在も病院で治療を続けている。

このイベントの主催者であり、アトラクションのオーナーでもあるチャイヨット・プラファンさん(Chaiyot Praphan、50)は、今回の事故について「担当の係員が安全バーのロックをかけ忘れた」とコメントを発表した。同アトラクションの安全バーは個々ではなくブロックごとに設置しており、投げ出されてしまった乗客のすぐ隣に座っていた2人の乗客の安全バーにはロックがかかっていたため投げ出されずに済んだ。またチャイヨットさんは自身の過失を全面的に認めており、事故直後に病院にいる被害者全員を見舞い、治療費を全額負担すると明らかにしている。

事故の翌朝には、政府関係者と警察が現場を訪れて問題のアトラクションの確認が行われた。アトラクションの安全装置は3段階用意されており、最後にかけるロックは車のシートベルトと似た構造で強度の高いものであったという。事故の原因は機械の不具合も考えられたが、当時のアトラクション係員が安全バーロックのかけ忘れを打ち明けたことやアトラクションに機械的な問題が無かったことから、今回の事故は人為的ミスによるものとされた。警察はアトラクションの管理に関して、オーナーであるチャイヨットさんが法律違反をしていなかったかどうかも調査を進めていくと公表している。

なお事故直後には複数の専門家が派遣され、イベント内の全ての乗り物の安全確認が行われ、安全性に問題のあるアトラクションはなかったと報告されている。

ちなみに昨年7月にはアメリカで、移動式遊園地の絶叫マシンが土台ごと大きく揺れ始め、通行人が必死に押さえる恐怖の映像がネット上で話題を呼んでいた。

画像は『Metro 2022年11月19日付「Five people thrown from ride after safety bar comes loose」(Picture: Viral Press)』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 iruy)