「慣れ親しんだユニホームを着て、新しい気持ちでルーキーのように頑張りたい」

「若く熱く元気にプレーしたい」

巨人に加入した元広島・長野久義(37)と元ソフトバンク・松田宣浩(39)は、ともに11月15日に入団会見を開き若さと熱意をアピールした。

2人の実績は十分だろう。長野は新人王、首位打者、最多安打など数々のタイトルを獲得。ベストナインを3度、ゴールデングラブ賞を3度受賞している。松田も通算301本塁打をはなっている強打者だ。だが……。

「近年の成績は、明らかに下降傾向にあります。長野の最近2年の打率は2割1分台で、ホームランは2〜3本。松田は今季、プロ入り最少の43試合の出場にとどまりホームランは1本も打てていません。長野は広島が古巣・巨人への復帰をお願いしたということになっていますが、2人とも事実上の戦力外とも言える。広島もソフトバンクも、実績はあるが衰えの目立つベテランの扱いに困っていたという面はあります」(スポーツ紙担当記者)

「補強ポイントでないのになぜ……」

環境を変えて、往年の輝きを取り戻せるか。だが現実は厳しい。

「長野が守る外野は、ウォーカー、丸佳浩、増田陸、松原聖弥、新人の萩尾匡也とライバルが多い。割って入るのは、相当難しいでしょう。松田にいたっては、本職の三塁に主砲の岡本和真がいます。一塁にも、今季4番も任された中田翔が。レギュラー獲得は不可能に近い状況です。

強いて役割をあげるなら代打の切り札でしょうが、同じ右には中島宏之がいます。タイプが重複しているんです。『補強ポイントでもないのに何のために2人をとったんだ』と、いぶかしがる人がいてもおかしくないでしょう」(球団関係者)

メリットがあるとすれば、2人の稀有なキャラクターだろう。長野は「球界イチ」といわれるほどの人格者で、投手や野手の垣根を超えて食事会を開くこともしばしば。若手の良き相談相手になれる。松田は「熱男」と呼ばれ、明るいキャラクターが特長だ。今季5年ぶりにBクラスに終わり、暗いムードの漂う巨人ベンチの雰囲気を一新してくれるかもしれない。

何より、2人の加入で救われそうな意外な選手がいる。チームリーダーの坂本勇人だ。

「来年35歳になる坂本は、比較的年齢の近い長野ととても仲がイイんです。長野が前回巨人にいた時は、ともに最多安打のタイトルを分け合っています。公私で一緒にいる時間が長く、『さかちょーコンビ』と呼ばれていました。

坂本は、松田のことも尊敬しています。侍ジャパンなど数多くの国際試合で三遊間を組み、ロッカーが隣だったこともあるとか。周囲には、こう語っています。『あれだけベンチで声を出す人はいない。チームにいるだけで雰囲気が良くなる』と」(前出・記者)

坂本が救われる理由は、ただ2人と仲が良いというだけではない。

「今季の坂本はトラブル続きでしたからね。腰痛などたび重なるケガで3度にわたり戦線を離脱し、出場試合数は08年にレギュラーとなってから最少の83。9月には『週刊文春』により、中絶疑惑が報じられました。20代の女性に避妊具をつけずに性行為を要求し、堕胎を迫ったというのです。

さすがの坂本も意気消沈し、心を入れ替えようとしています。若手に混じり、11年ぶりに秋季キャンプに参加したのも危機感の表れでしょう。長野と松田の加入は、坂本をさらに引き締めてくれる。落ち込んだ坂本の気持ちを引き立たせる、キッカケになるかもしれないんです」(同前)

戦力にならなくても、停滞する巨人の雰囲気を一新してくれそうな両ベテラン。意外とメリットは大きいのかもしれない。