こんなに見つからないものなのか――そう驚かされたのは、北海道旅行に行く準備をしていた時のことだった。

新千歳空港に到着した後、車で移動しようと考えていたJタウンネット記者はネットでレンタカーの予約をしようとしたのだが......どうしても条件を満たす車が出てこないのだ。

その条件とは「喫煙車」である。

新千歳空港国内線レンタカーカウンターにある12店のレンタカーショップで探したが、検索結果に商用車以外の喫煙車が出てきたのはわずか1店。しかも、それも在庫なしで借りたい日には予約できなかった。

記者が小学生だった頃、祖父がレンタカーを借りてくるときはいつも灰皿付きの車だったし、シガーソケットでたばこに火をつけて運転していた。それがこんなにも見つからないとは......。

記者の頭の中に、ある疑問が浮かんだ。

「レンタカーの喫煙車って、もしかして絶滅危惧種なの?」

業界に押し寄せる「禁煙化」の波

ひょっとして新千歳空港に限らず、全国どこでも同じような状況なのではないか。

Jタウンネット記者が気になってレンタカー業者を調べたところ、ニッポンレンタカーサービスは18年4月4日、同年11月1日から乗用車・ワゴン車の全車禁煙化(商業クラスでは喫煙車の取り扱い有)をスタートすると発表。これは、「禁煙化ニーズを背景にした、業界初の試み」だという。

タイムズカーレンタルも18年10月10日から乗用車と商用車をあわせた全車禁煙化を実施、日産レンタカーも19年10月1日から全車禁煙(特定代車車両・商用車などは除く)に全面移行すると発表していた。

トヨタ自動車も2018年7月に屋内禁煙を原則とする改正健康増進法(20年4月1日全面施行)が成立したことを受け、トヨタレンタカーの各事業所に喫煙車を減らしていくという方針を伝えたという。

同社広報部の担当者によると、レンタカーの保有台数が多いある事業所では、17年の喫煙車率は全体で38%(乗用車で23%、商用車で98%)だった。それを22年7月までに11%(乗用車で0%、商用車で49%)まで減らしている。

......どうりで喫煙車が見つからないわけだ。

レンタカー業界では禁煙化がどんどん進んでいるようだ。しかし、そんな中であえて「喫煙車」の存在をアピールしている企業もある。

九州・沖縄、関西、関東の一部店舗で「愛煙家応援プラン」を用意しているスカイレンタカーだ。

なぜこの時代に「愛煙家応援プラン」?

スカイレンタカーの公式サイトによると、同社ではドライブしながらの喫煙を望む多くの声に応えるため、気兼ねなく喫煙できる車両を保有しているらしい。

どうしてこんな、時代に逆行するプランを? Jタウンネット記者が、10年以上前から「愛煙家応援プラン」を提供しているスカイレンタカー羽田空港店に取材したところ、店長が答えた。

「肩身は狭くても喫煙者の方はいらっしゃる。ビジネスでも、旅行でも、喫煙者の方が楽しい思いで帰ってもらいたいから喫煙車を残しています。私が店長でいる間はなくすつもりはありません」(スカイレンタカー羽田空港店の店長)

しかし、愛煙家応援プランを実施しているからといって、大量の喫煙車を用意しているわけではない。

「プランがあっても、喫煙車の台数は減ってきています。羽田空港店でも、80台ある車両のうち喫煙車は3台しかありません」

以前は喫煙車の割合はもっと多かったのだが、需要が低下し、問い合わせも少なくなり、台数が減少していったという。

たばこを吸っていいレンタカーに出会うのは、かなり難しい。旅先で喫煙車を借りたいと思っている人は、事前によく調べておこう。