絶対的な遊撃手も来年34歳、今季は度重なる故障に苦しんだ

 巨人・坂本勇人内野手は来季も絶対的な遊撃手として君臨するのか。今季は度重なる故障に苦しみ、83試合出場。レギュラー定着した2008年以降ではワーストの成績にとどまった。今年12月14日に34歳とベテランの域に入る。坂本が他のポジションへのコンバート、また後継者は誰になるのか。客観的数値でプロ野球の分析などを行う株式会社DELTAの指標をもとに調べてみた。

 グラウンドを縦横無尽に駆け回る遊撃手は、特に体の負担が大きい。昨季まで5度のゴールデングラブ賞に輝いてきた坂本にとっても、決して簡単なポジションではない。失策数は3年ぶり2桁の11失策を記録した。守備全般での貢献を示す指標UZRは2015年に29.7を記録した後は年々ダウン。2020年はリーグ1位の9.4だったが、2021年はリーグ2位の5.0に。遊撃で82試合(671回1/3)を守った2022年の4.5はリーグ4位だった。

 バットでは打率.285を記録したが、規定打席には届かず。5本塁打、33打点と出場試合数が伸びなかったのが打撃成績に直結した。それでもOPS.762を記録し、打席数が少ないにも関わらず、打撃による得点貢献の総量を示すwRC42.7はリーグ3位だった。

 34歳という年齢を考えると守備にかかる負担を考えなければいけないが、なかなか後継者が出てこないのが現状か。坂本が離脱した際に頭角を見せたのが、高卒2年目の中山礼都内野手だった。2020年ドラフト3し位で巨人入りし、今季1軍デビューとなったが、打率.198、0本塁打、3打点。46試合出場(351回1/3)した遊撃の守備でもUZR-3.3と結果的には厳しい数字が並ぶ。来年4月で21歳。まだまだ若いとはいえ、常勝を求められる巨人では何より結果を出したいところ。

 遊撃手として、北村拓己内野手は14試合(75回2/3)、廣岡大志内野手は11試合(53回1/3)で出場したが、坂本の攻守にはまだまだ及ばない。来季は春季キャンプからアピールが欠かせなそうだ。

 井端弘和、宮本慎也、鳥谷敬といった絶対的な遊撃手も現役晩年は三塁、二塁などに回った。不動の遊撃手だった坂本にも着実に世代交代の時は来る。2023年は坂本が奮起するのか、それとも後継者が台頭してくるのか。若手の育成には我慢が必要とも言われるが、原辰徳監督にとっても難しい舵取りとなりそうだ。(Full-Count編集部 データ提供:DELTA)

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 2011年設立。セイバーメトリクスを用いた分析を得意とするアナリストによる組織。書籍『プロ野球を統計学と客観分析で考える デルタ・ベースボール・リポート1〜3』(水曜社刊)、電子書籍『セイバーメトリクス・マガジン1・2』(DELTA刊)、メールマガジン『1.02 Weekly Report』などを通じ野球界への提言を行っている。集計・算出した守備指標UZRや総合評価指標WARなどのスタッツ、アナリストによる分析記事を公開する『1.02 Essence of Baseball』も運営する。