11月16日、大みそかに放送される『第73回NHK紅白歌合戦』の出場歌手42組が発表された。

紅組では工藤静香(52)が24年ぶりに、篠原涼子(49)も28年ぶりの出場となり注目を集めている。また、IVE(アイヴ)や宮脇咲良(24)が所属するLE SSERAFIM(ル セラフィム)、JO1が初登場。他にもNiziUやTWICE、あいみょん(27)、Vaundy(22)といった若者に人気の高いアーティストやグループが目白押しとなった。

しかし演歌歌手においては、石川さゆり(64)、坂本冬美(55)、天童よしみ(68)、水森かおり(49)、三山ひろし(42)、山内惠介(39)と、昨年とほぼ同じ顔ぶれだ。テレビ局関係者が言う。

「昨年の紅白では、トリを含む第2部の世帯視聴率が過去最低の34.3%を記録しました。今年の出場者の平均年齢が昨年よりも下がっているように、NHKはスマホ世代の若年層を取り込もうとしているようです。そうすることによって、個人視聴率を伸ばす狙いがあるのでしょう。いっぽう、演歌枠では高齢者層への訴求を感じる新たな動きはありません。昨年には五木ひろしさん(74)が出場しない意向を表明したことも波紋を呼びました。同局は『うたコン』や『のど自慢』では演歌や歌謡曲に力を入れていますが、紅白では高齢者層が離脱してしまう可能性があるでしょう」

「年末の風物詩」として歴史ある紅白の在り方に、ネット上では様々な意見が相次いでいる。

《高齢者は紅白よりテレ東の年忘れにっぽんの歌を見た方が楽しめると思う》
《高齢者に馴染み深いメンバーで揃えると、将来のメイン視聴者層になるであろう若者離れが進むだけなので、バランスは取りつつある程度の世代交代はしないとダメなのでは?》
《紅白はNHK受信料払ってる人の投票で出場者決めるのが公平なのではないか??》

受信料をめぐっては、23年10月から地上契約と衛星契約の受信料を1割値下げすると発表したNHK。しかし、視聴者の獲得には苦戦しているようだ。同局が今年10月に公表した「2022年度第2四半期業務報告」では、今年の契約総数は9月末時点で4135万件と昨年よりも約19万8千件減少。減少幅が年間想定の10万件に対して、半年で2倍ほど減ったのだ。

各メディアによると前田晃伸会長は、10日の定例会見で契約数の減少に触れ、「去年から営業のやり方を大幅にチェンジしている最中で、まだ読み切れない」と“改革の途中”であることを主張したという。

さらに契約数の減少に加えて、昨今では同局内部での“スキャンダル”も相次いでいる。

「阿部渉アナウンサー(55)は今年10月、『文春オンライン』によって30代女性職員との約2年間に及ぶ“局内不倫疑惑”が報じられました。阿部アナは09年から3年連続で紅白の司会を務め、17年6月に『エグゼクティブアナウンサー』に就任した“NHKの顔”です。不倫報道によってパーソナリティを務めるラジオ番組『マイあさ!』を降板しましたが、局内では不問にされたのです。前田会長も定例会見で、『職務規程に違反した事実はない』と説明するにとどまりました。

さらに、ロンドンブーツ1号2号の田村淳(48)が司会を務める『スポヂカラ!』(BS1)で、事実と異なる内容を放送した上に“隠蔽”しようとした疑惑が文春に報じられたばかり。公共放送であるNHK内部でスキャンダルが相次いでいることも、若者の視聴者離れの一因となっているのではないでしょうか」(別のテレビ局関係者)

今回の紅白で“若者ターゲット”へ舵を切ったNHKの露骨な方針転換は、果たして吉と出るのだろうか。