店内調理の弁当・惣菜を提供するローソンの「まちかど厨房」。登場からこれまでの11年間で延べ500アイテムを発売し、できたて中食ニーズの高まりとともに年々売上を拡大してきた。コロナ禍による消費変化も背景に、昨年度の売上高は19年比5割増。一般的なコンビニ弁当よりも女性からの支持が高く、日配や冷食をも上回る伸長率をみせている。全体の約3分の2に当たる約9千店舗に導入しているまちかど厨房は、厨房を持つ小売店では最大規模。25年までに1万店超に拡大する計画だ。

「商品・サービスの拡充へ、いろんなチャレンジの可能性を検討している。設備の拡大も行い、いま調理できていない商品群にもチャレンジしたい」(商品本部・水島史喜氏)。

人手不足のなか新しい働き方のニーズを満たす役割も担っており、シニアや短時間勤務のスタッフでも簡単に作れることが大前提。

そのためにまず取り組むのが、店舗スタッフができるだけ短い時間で作れるようにするためのオペレーションや商品の改善だ。商品をまとめて作ることを推奨するほか、油調の温度や時間を各品目で統一することで誰にも分かりやすくする。フライヤー2台の完備も進め、調理数量を倍増。パッケージの変更や、調理素材を小分けにすることで時短化・効率化を進める。

「お店でご飯を毎日炊いていることも、工場で作る弁当と違うポイント」(水島氏)といい、22日からは店内炊飯のコメをエリアごとに異なる単一銘柄米に切り替える。併せて、おかずとごはんを別々に盛り付けたセパレートタイプ「ミックスフライ弁当」(税込592円)など2品も発売。ごはんそのもののおいしさを味わえるようにした。

現在のフライヤー、炊飯器、電子レンジに加え、今後はIH調理器も一部で導入を進める。これまで店内ではできなかった炒める、焼くといった調理も可能になることで、メニューの幅も広がりそうだ。

ローソン「まちかど厨房」 コロナ禍の2年で1.5倍に オペ改善、誰でも簡単調理は食品新聞 WEB版(食品新聞社)で公開された投稿です。