双子のベビーカーで、バスに乗れるのか。

この問題についての議論が、元バレーボール選手の大山加奈さんのインスタグラム投稿をきっかけに再加熱している。

大山さんは、都営バスで双子ベビーカーのまま乗車しようとして拒否されたという。

女子SPA!では以前、この問題について声を上げた1人の女性に取材している。彼女らの働きかけもあり、2021年に都営バスは、双子ベビーカーも畳まずに乗車できるようルール改定した。

当時の様子や双子ベビーカー問題の本質に触れる、同記事を再掲載したい。読者の皆さんはどう感じるだろうか。
(2022年9月8日に公開した記事の再掲載です)
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 生後2ヵ月の双子をベビーカーに乗せた秋澤春梨さん(都内在住/当時)が、都バスから「乗車拒否」を喰らったのは2018年5月のことだった。場所は渋谷駅前。車内には乗客も2〜3人しかいなかったため、当初は何を言われているのか意味もわからなかったという。

「あれ? 特殊な運転手さんに当たっちゃったのかな」と1台待つことにしたが、次の運転手も同様に「そんな大きいものはダメです」と双子用ベビーカーをNG扱いに。双子育児の過酷さは様々なところから耳にしていたものの、まさかこんなかたちで不当な扱いを受けることになるなんて想像もしていなかったと、秋澤さんは当時の心境を語った。

 このできごとから約1年後、秋澤さんは双子ベビーカーのバス利用を巡り、小池都知事に直談判することになる。

◆「いくら待っても乗れませんから」と言われて

──改めて当時の状況を振り返っていただきたいのですが、乗車を断られたときは率直にどう感じましたか?

秋澤春梨さん(以下、秋澤):あのときは産まれたばかりの子供の通院先を探していて、アタフタしながらバスで病院に向かおうとしていたんですよ。そんな自分に対して、こんなひどい仕打ちってある? ……そんな気持ちでしたね。怒りよりも、口ポカーンと唖然とした調子だったかもしれません。
 むしろ私よりも周りの人たちが怒り始めちゃって、「なんで乗せてやらないんだよ!」と運転手さんに詰め寄っていました。それでも運転手さんは聞く耳を持たず、黙ってドアを閉め、そのまま発車してしまったんですけど。

──具体的には運転手にどんな言葉を投げられたんでしょうか?

秋澤:「交番に行ったらいかがですか?」とか「いくら待っても乗れませんから」とか、そんな感じでした。交番に行っても警察の方は「いやはや、困りましたね」と頭を掻くばかり。仕方ないからタクシーで病院に向かいました。病院からの帰りは歩いたので40分もかかりましたよ。

◆同じ区内でも、バス会社によって見解が異なる

──いちいちタクシーを使っていたら出費もバカにならないですよね。

秋澤:多胎(双子や三つ子など)の出産は通常に比べてリスクも大きいので、診てくれる病院も現実的には限られてくるんです。「近所にある病院ならどこでもOK」というわけにはいかないんですね。それなのに移動に公共交通機関が使えないっておかしくないですか? 私の場合、結局は実家がある中野区から病院に通うことになったんですけど、やっぱりここでも渋谷のときと同様にバス乗車ができず往生しました。

──実は僕自身も中野区に住みながら双子育児をしていたのですが、バスでベビーカーNGということは特になかった気がするんです。

秋澤:中野区だったんですか? だったら話は早いかもしれませんね。実はそこは大きなポイントで、同じ中野区を走るバス会社でも関東バスや京王バスは双子ベビーカーOKなんです。ダメなのは都営バスだけ(※当時)。だから私も都営バスさんに聞いたんですよ。「他社さんは大丈夫なのに、なぜ都営バスさんだけ?」って。そうしたら向こうはなんて言ったと思います? 逆に関東バスや京王バスのほうがルール違反だと主張するわけですよ。「なんだったら両社に業務改善命令を出さないといけないな」みたいな感じで。