元ブラインドサッカー日本代表選手の落合啓士が11月7日にブログを更新し、「男性不妊症」の治療と第一子の誕生について語った。

網膜の病気により18歳で視覚障害者になった落合は、25歳でブラインドサッカーを始め、同年に日本代表に選出。数々の試合で日本の背番号10番を背負い、キャプテンとしてチームをけん引した。現在は、松本山雅B.F.C.の監督に就任し、日本初の全盲監督として指導を行っている。

2015年に結婚した落合だったが、なかなか子どもを授からず、2018年に夫婦で検査を受診。そこで、自身に「精索静脈瘤」があり、男性不妊の状態であることが分かった。

落合が手術を受け、より高度な不妊治療へ進んだものの、費用と妻の心身への負担は増大する一方で、タイムリミットが近づいていた。さらに、当時、東京2020パラリンピック出場を目指していた落合ならではの悩みもあった。治療の一環としてサプリメント服用を勧められたが、それがドーピングと判断されてしまう恐れがあったのだ 。

選手をとるか、こどもができる確率をあげることをとるか!
これは自分で覚悟して決めることと思ってだれにも相談しないで1人悩む日が数日つづきました


最終的に、治療の道を選び選手を引退。2021年8月に開催された東京2020パラリンピックでは、かつてのチームメンバーたちの出場をうらやむ気持ちもあった。しかし、NHKのスペシャルナビゲーターを務めた櫻井翔が、放送でブラインドサッカーの話をする際、かつて対談したことのある落合についても言及したことが救いになったという。

「でれなかったぼくの気持ちを櫻井くんは受け止めてくれてる」
そう思って、すっと心が軽くなりました


これが最後だと決めて臨んだ治療が成功し、2022年9月11日に長男が誕生。妻が出産する瞬間や落合の思いを込めて「翔士」(カイト)と名付けた経緯についても記している。

そして全盲パパの育児も伝えていきますので、あたたかく見守ってくれたら嬉しいです。
皆さん、一緒に頑張りましょう


最後は、育児への前向きな言葉でブログを締めくくっている。

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