長期化する納期! 最短求めてOEM車を検討する人も増えている?

 クルマを注文してから届くまでの期間はとても待ち遠しいものです。しかし、最近ではその納期が長くなっていることが問題となっています。

しかし、そんななかでもトヨタ「ノア」をベースにしたスズキ「ランディ」は、比較的早く手に入るようになっているといいますが、ノアの代わりにランディを購入する人は実際にいるのでしょうか。

トヨタ「ノア」は約1年待ち? 代わりにスズキ「ノア」に注目集まる?

【画像】「ノアがなければランディがあるじゃない!」 ノアとランディの違いはどーこだ?(22枚)

 納期の長期化の理由は主に、新型コロナウイルス感染症やウクライナ危機などの影響による半導体不足や不安定な社会情勢などが考えられます。

 いまや納車まで1年以上かかることもあります。くわえて、納期が大幅に延びてしまった結果、受注停止になったクルマも存在します。

 たとえば、東京のトヨタ販売店担当者によると「トヨタの『ノア』の納期はグレードにもよるものの、約1年ほどとなっています」といいます。

 また、同じくトヨタの「プリウス」や「アルファード」は、納期の遅延にくわえて将来的なモデルチェンジの影響もあり、2022年10月時点では受注を停止しています。

 そのような状況のなか、ノアをベースにしたランディの納期は比較的短いといいます。

 ランディの納期について、東京のスズキ販売店の担当者は、クルマの仕様などによって大きく変化することや、出荷状況や最近の半導体不足などの影響もあるとしたうえで、以下のように話します。

「ランディの納車は、おおむね2023年の2月ごろ、つまり納期はおよそ4か月から5か月と、現在の事情を踏まえた場合、比較的早く納車が可能なクルマなのではないかと思います」

 ランディは、4代目となる新型モデルが2022年8月に発売されたクルマです。

 以前は日産「セレナ」のOEMモデルでしたが、この4代目からはノアのOEM供給を受けるようになりました。

 ノアの標準仕様をベースとしつつ、フロントグリルはノアのカスタム仕様のようなシルバー加飾を採用しています。

 またエンブレム周りは、ノアの標準仕様はメッキですが、ランディはボディと同じ色になるほか、スズキの「S」エンブレムが施されておりその点でもノアとは異なります。

 与える印象は両車で大きく異なってくるものの、基本的には「同じクルマ」といえ、ノアと同等の仕様をもつ「HYBRID G」や「G」がランディにも設定されているほか、5色のカラーバリエーションを持っていることなどノアと共通している点も多くあります。

ノアの代わりに納期の早いランディを購入する人も?

 ランディは、性能がノアと同一であるうえに、ノアと比較しても納期が早い傾向があるため、ノアの納期を待てず、ランディの購入を検討する人も出てきているようです。

 ランディの購入について、前出のスズキ販売店の担当者は以下のように話します。

「ノアと同じベースをもつランディは、当然ノアと共通する部分も多いため、『ノアの納期が待ちきれず、ランディを購入しようか検討している』といったお問い合わせをいただいたことも多くあります」

 また別のスズキ販売店では次のように話しています。

「ノアを検討されていたが車検のタイミング的にランディを検討したいと問合せもあります。

 お客さまのなかにはメーカーやブランドで選ばれる人もいる一方でクルマとしての性能や機能で選ばれる人もおります。

 しかしそれは商用車などで多かった印象ですが、最近では欲しいクルマが欲しい時期に手に入らないということもあり、ランディ以外のOEM車でも同様の問合せがきています」

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 日常生活にクルマが欠かせないという人のなかには、「納車までに1年以上かかるのは待っていられない」と考える人も少なくありません。

 とくに、ノアのようなミニバンは、子どもの成長に合わせて選択するファミリー層のユーザーも多く、日々の子育てを考えると一刻も早く納車してほしいというケースも多いといわれています。

 販売店ネットワークの差やリセールバリューの違いなど、実際にノアとランディを比較する際には検討すべき要素は多くあります。

 しかし、クルマとしての基本性能という部分に注目すれば、ノアとランディはほとんど同一であることから、ノアの代わりにランディを検討するというのは、選択肢としては十分「アリ」といえそうです。

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 このように、半導体不足や世界情勢の不安定などの理由により、クルマの納期が遅れてしまっている中では、「納車が早い」ということはそれだけで大きな価値となります。

 納期を優先するのであれば、新車同様のノアを中古市場で手に入れるという選択肢もありますが、新車価格よりも割高になるケースもあるほか、保証面でも不安が残るのが実情です。

 そういった意味で、ノアに対するランディのように、OEM車を代替手段として検討するケースは今後増えてくるかもしれません。