チームの勝利をどれだけ積み増したか「WAR」のコストを算出

 エンゼルスの大谷翔平投手の“コストパフォーマンス”は主砲マイク・トラウト外野手の10.3倍、さらにヤンキースのアーロン・ジャッジ外野手の3.1倍に達することが分かった。代替可能な選手と比べ、どれだけチームの勝利を積み増したかを示す指標「WAR」を用いて、1勝あたりのコストを測定したもの。

 WARにはいくつかの種類があるが、ここでは「ベースボール・レファレンス」が算出したものを用いる。今季、エンゼルスのチームWARは30.6で、大谷が投打両面で稼いだ9.6は31.6%を占めている。大谷の年俸は550万ドル(約8億1200万円)で、1勝あたり57万ドル(約8400万円)。これはチーム9位に当たる。

 なぜこうなったかといえば、このランキングで上位の選手は、軒並みメジャー最低年俸の70万ドル(約1億300万円)に近い額でプレーしているため。1位はWAR3.8のテイラー・ウォードで1勝当たり19万ドル(約2800万円)。2位のパトリック・サンドバルもWAR3.4で、1勝当たり21万ドル(約3100万円)。3位のルイス・レンヒーフォはWAR2.4で、1勝当たり29万ドル(約4300万円)だ。最低年俸付近の選手を除外すると、大谷のコストパフォーマンスはチームトップになる。

 一方で、高給取りのコストパフォーマンスはどうしても悪くなる。年俸3700万ドル(約54億7800万円)のマイク・トラウトはWAR6.3で、1勝当たり589万ドル(約8億7000万円)。これは大谷の“コスパ”を基準にすれば10.3倍に達する。

 さらにシーズン62本塁打を記録したジャッジは、メジャー最高のWAR10.6を稼いでいるものの、今季年俸は1900万ドル(約28億400万円)にのぼる。1勝あたりのコストは179万ドル(約2億6500万円)となり、これは大谷の3.1倍。大谷のチーム経営への貢献度の高さが、浮き彫りとなった。(Full-Count編集部)