【AFP=時事】ウクライナ侵攻での失敗や敗退が増えるにつれ、ロシアのエリート層の間で怒りが広がっている。「軍事作戦」に対して引き続き支持を示しているものの、軍幹部は銃殺刑にすべきだと口にする人も出てきてる。

 ウクライナ軍が反転攻勢を強めた9月以前は、軍批判の世論は珍しかった。ウクライナ侵攻は神聖で、愛国的な作戦であり、軍を批判すれば長期間刑務所に入れられる恐れがあった。

 今でもロシア政府の見解やウクライナ侵攻のメリットについて、疑問を投げ掛けるエリートはいない。

 だが、ロシア軍の後退や予備役の動員をめぐる問題を受け、通常はものを言わない著名人らが軍幹部を批判するようになっている。

 元司令官で、下院国防委員会の委員長を務めるアンドレイ・カルタポロフ(Andrei Kartapolov)氏は5日、軍は毎日の戦況報告で自国の後退には触れず、ウクライナ軍が被ったとする甚大な損失を称賛するような「うそ」はやめるべきだと指摘。「国民は知っている。彼らもばかではない」と警告した。

 同氏は、愛国者として知られる人気テレビ司会者ウラジーミル・ソロビヨフ(Vladimir Solovyov)氏のオンライン番組で、「私たちが真実の一部でさえも国民に言いたくないことは彼らも分かっている。これにより、信頼を失うこともあり得る」と述べた。

■銃殺刑

 欧州連合(EU)の制裁対象となっているソロビヨフ氏は、軍幹部には銃殺刑に値する者もいると主張。「罪を犯した者は罰せられるべきだ。残念ながらロシアには死刑がないが、一部にとってはそれが唯一の解決方法だ」「軍人としての誇りもない。ないから、銃で自殺しようともしない」と語った。

 著名な戦争記者のアレクサンドル・コッツ(Alexander Kots)氏はメッセージアプリのテレグラム(Telegram)に、「近い将来(前線から)良いニュースが入ってくることはないだろう」と投稿した。

 ただ、ウラジーミル・プーチン(Vladimir Putin)大統領やセルゲイ・ショイグ(Sergei Shoigu)国防相に対する批判は出ていない。

 従軍経験のない人が前線に動員されたとの報告が相次ぐと、プーチン氏は予備役動員での「誤り」を公に認めざるを得なかった。

 ロシアでは野党が事実上一掃され、中心的指導者だったアレクセイ・ナワリヌイ(Alexei Navalny)氏は獄中にいる。

 残された人々は主に国外で活動しており、国民の不満に乗じ、ロシア国内での立て直しを試みている。

 ナワリヌイ氏の側近のレオニード・ボルコフ(Leonid Volkov)氏は、ロシア国内での活動家のネットワークを再開させるとユーチューブ(YouTube)で発表し、「ロシアに残る数百万人はプーチンの人質であり、戦う意志はない」と述べた。

【翻訳編集】AFPBB News

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