車を使ってお出かけをしようとしたら、ボンネットに大きな鳥フンが落ちていてがっかりした経験をする人は多いのではないでしょうか。

鳥フンや夏場によく見られる虫の死骸は、車のボディにダメージを与える大敵となるのです。放置してしまうと後悔するかもしれない大敵にどう立ち向かえばよいでしょうか。

鳥フン・虫の死骸は車の塗装にダメージを与えてしまう

車の塗装は下地から順に「ベース」「カラー」「クリア」と3つの層で作られています。ダメージを蓄積したままにしておくと、塗装が剥がれるだけでなくボディに錆を作る原因となってしまいます。

鳥フンに含まれる成分としてアンモニアや尿酸、ナトリウムが挙げられます。これらの成分は強い酸性であるため、ボディに付着すると塗装が侵食され、最悪の場合、錆になってしまうことがあります。

早めに鳥フンを取り除かなければ、塗装が剥がれるだけでなくボディに錆を作る原因となるでしょう。

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一方、虫の死骸には、「リン酸」や「タンパク質」が含まれています。

リン酸は虫の体液の中に含まれていて、金属の腐食を進めてしまう成分です。物質の濃度が上がるほど強さが増し、車の塗装面からボディに浸食してしまいます。同時に、虫の死骸に含まれているタンパク質がリン酸と合わさり、ボディ表面へダメージを与えるのです。

虫の死骸も早めに取り除かなければ、侵食が進んでしまい、塗装を削らなければ根本的な汚れが落ちないどころか修復が難しくなるでしょう。

運転中に壁に接触して傷をつけてしまうのもショックが大きいですが、自宅の駐車場に車を置いていただけでボディをダメにしてしまう可能性があり得るということです。

今すぐできる鳥フン・虫の死骸への対策方法は?

鳥フン・虫の死骸から車のボディを守るため、今すぐできる対策は存在するのでしょうか。

筆者が真っ先に思い浮かんだのが「カーコーティング」でした。コーティング専門店のスタッフへ質問したところ、次のような回答がありました。

「残念ながら、コーティングを施工しても完全に鳥フンや虫の死骸を防ぎきれません。

できることとしたら、鳥フンと虫の死骸を見つけたら早めに取り除くのが適切です。付着してから時間が経っていなければウェットティッシュで拭き取れるのではないでしょうか。

しかし、時間が経過しているようであれば、マイクロファイバークロスを水もしくはぬるま湯で濡らし、軽く絞った状態で鳥フンや虫の死骸に被せます。

少し時間を置くと乾燥した汚れが取り除けるようになっているので、ボディを傷つけないように優しく取り除いてください。」

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プロの回答でも、ボディにコーティングを施すだけでは根本的な解決は難しいとのこと。持ち主も常に車の汚れを気にして、鳥フンや虫の死骸を見つけたら取り除くようにしてほしいということでした。早めの行動が、車のボディを守るキーポイントとなりそうです。

常に車を綺麗に保つよう洗車したり、ボディカバーを装着したりするのも、鳥フンや虫の死骸から車を守るのに効果がありますが、いずれも毎日習慣づけるのは難しいかもしれません。

ですので、車内には水を入れたペットボトルタイプのスプレーとマイクロファイバークロスを用意するほうが手軽で効果があると言えるでしょう。ちょっとした工夫でドライブ中に鳥フンがついた時に素早くキレイにすることができます。

特に気温が高い日や晴れの日が続くと、少しでも鳥フンや虫の死骸を放置しているとあっという間にボディの塗装が侵食されます。手間暇がかかるのは止むを得ませんが、大切な愛車を守るために鳥フン・虫の死骸チェックに取り組みましょう。