大阪市にある冷凍宅配弁当の製造、販売を手掛けるベンチャー企業・ナッシュの取締役が、社内チャットで「デブの人は採用しないようにしましょう」と発言していたことが「週刊文春」の取材でわかった。

【画像】「デブは採用しない」発言が飛び出した社内チャット

 問題発言があったのは、2018年に事業を開始したナッシュ社。糖質制限された冷凍宅配弁当の製造、販売を手掛ける。全国に配送可能で一食の値段は500円から700円程度だ。


ナッシュ本社が入るビル

「コロナ禍での内食需要や健康志向が追い風となり、昨年の純利益は約1億5000万円。今年春時点での社員数は約140人で、今年は年間売上高が50億円に達すると見られ、来年2月の上場を目指していた」(経済誌記者)

 急成長を遂げる同社はメディアにも度々登場した。

「今年2月にはNHKの関西ローカル『ほっと関西』で“拡大する冷凍食品業界”というテーマで取り上げられた。4月から池田エライザを起用したテレビCMも放送した」(同前)

〈デブの人は採用しないように〉問題のチャット

 ナッシュ社を率いるのが田中智也社長(43)。今回、問題発言をしたのは取締役で、No.2のA氏である。

「二人は師弟関係でA氏は田中社長には逆らえない。社内では『社長の太鼓持ち』と言われている」(元従業員)

 小誌はA氏がマーケティング部の役職者に送った社内チャットを入手した。そこで彼は、こう呼びかけている。

〈今後の新規採用においては、マーケの内規としてデブの人は採用しないようにしましょう〉

〈仕事できない確率が高いと考えており、かつ、権利主張が激しく、ナッシュと相性悪く双方不幸せな結果になると思ってます〉

 男性社員が呆れる。

「取締役が容姿で能力を判断し、人を差別していることになる。それで言えば田中社長もポッチャリ体型なのですが……」

A氏「自分の食欲に貪欲になり続けるのは、仕事でもだらしない方向に出ちゃう」

 A氏に「デブは採用しない」発言を確かめると「言ってますね」と認めた。

――どういう意図なのか。

「日本って太っている人より普通体型の方がメジャーなわけですよ。太っている人の方が好きというのは数が少ないと思うんですね。そんな中で自分の食欲に貪欲になり続けるのは、仕事でもだらしない方向に出ちゃうんじゃないのかなって」

――見た目での差別では。

「差別するつもりはなかったんですけれども。僕は命の価値は皆さん平等だと思っていますし」

――田中氏は権利主張が激しい?

「田中はそういうデブじゃない。ちゃんと成果も上げて、痩せるときはしっかり痩せ切る人なので。僕は7年間も一緒ですごく筋が通って温かい人だなって」

 ナッシュ社に改めて取材を申し込むと、概ね次のように回答した。

「当社取締役が、チャットシステム内で、ご指摘のような発言を書き込んだことについては確認をいたしました。当該チャット内で特定の方に向けて発言されたものではなかったものの、当社としては不適切な発言であり、到底容認できないものであると考えており、当該取締役も現在は反省しております。今後、同様の事態が生じないよう、当社役職員全体への教育の機会等の設定等を含めて対応していく所存です。

 また、当該取締役は、上記発言に対する反省から、既に当社に対して、報酬の一部返上を申し出ており、当社としても、これを受け入れる旨決定しております」

 このほか、田中社長が休職中の女性従業員について放った暴言、約半年で50人以上が退職する同社の過酷な労働環境、田中社長への直撃など、10月5日(水)12時配信の「週刊文春 電子版」および10月6日(木)発売の「週刊文春」で詳報している。

(「週刊文春」編集部/週刊文春 2022年10月13日号)