トヨタ「FJクルーザー」生産終了! 日本での販売は4年前に終了しているけど?

 2022年9月27日、1955年以来サウジアラビアでトヨタの正規販売代理店を務めてきた「アブドゥル・ラティフ・ジャミール・モーターズ」はトヨタ「FJクルーザー」の生産を、2022 年 12 月までに終了する予定であることを明らかにしました。

 また同時に、オフロード性能、スタイル、パフォーマンスを兼ね備えた特別仕様車「ファイナル・エディション」を展開すると公表しました。

日本で発売されたトヨタ「FJクルーザー」の特別仕様車「Final Edition」

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 FJクルーザーは2003年のデトロイトモーターショーで発表され、2006年には北米で発売開始しています。当初販売予定がなかった日本でも要望が集まったことから、2010年11月から2018年1月まで販売されていました。

 FJクルーザーは、個性的なデザインや本格4WD車としての高い走行性能により、人気を博していましたが、日本では販売を終了しており、中古車の一部個体は新車価格よりも高値で販売されているのを確認できます。

 そうしたなかで、2022年10月時点でも一部の海外市場では新車販売が継続されていました。

 サウジアラビアもそのうちのひとつで、公式サイトでも2023年型のFJクルーザーが販売されているのを確認できます。

 今回FJクルーザーの生産終了が2022年12月の予定であると公表した「アブドゥル・ラティフ・ジャミール・モーターズ」は同時に、15年以上にわたる生産の集大成を記念して、同車の特別仕様車「ファイナルエディション」を1000台限定で販売することを発表しています。

 FJクルーザー ファイナルエディションは、エクステリアやシートなどにベージュのシングルトーンセレクトカラーを採用。グリル、バンパー、ドアミラー、ドアハンドル、スペアタイヤカバーなど、エクステリアの随所にブラック塗装を施し、独特のモダンな雰囲気を生み出します。

 また、車両には車両番号を示すバッジを装着され、限定車であることが強調されます。

 エンジンには、最高出力270馬力・最大トルク380Nmを発揮するデュアル独立可変バルブタイミング機構(VVT-i)を組み込んだDOHC4.0リッターV型6気筒エンジンを搭載。

 さらにアクティブトラクションコントロール(A-TRAC)やクロールコントロール、電子制御式ロッキングリアディファレンシャル、オフスイッチ付き車両安定制御(VSC)など、ドライバーをサポートする機能も充実しています。

 FJクルーザー ファイナルエディションは、2022年第4四半期に導入される予定ですが、2022年9月末現在、まだ価格および公式画像が公表されていません。

 リリース発表などから、その内外装は2017年10月に日本で発売された特別仕様車「Final Edition」とほぼ同等であると推察されます。

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 今回の発表について、アブドゥル・ラティフ・ジャミール・モーターズのトヨタ・マーケティング・オペレーション・マネージング・ディレクターであるマジン・ガジ・ジャミール氏は次のようにコメントしています。

「FJクルーザーは、クラシックな『FJ40』の現代的な後継モデルであり、多用途性と幅広いカスタマイズ性を併せ持つ特別な存在です。『ファイナルエディション』の発売は、このレガシーを称えるにふさわしい見送りとなるでしょう。」

 トヨタ自動車株式会社 中東・中央アジア駐在員事務所の代表を務める藤田 圭氏も以下のようにコメントしています。

「FJクルーザーは、トヨタの豊かな歴史の中で最も象徴的なSUVのひとつとして、思い出を残しながら旅立ちます。このクルマは、オフロード性能、スタイル、性能を兼ね備えており、砂漠の冒険でも日常の活動でも、ドライバーと同乗者に快適で信頼できる体験を提供します。

 FJクルーザーは生産終了となりますが、そのオフロード性能は、『ランドクルーザー』や『フォーチュナーGR Sport Variant』、『ランドクルーザー プラド』など、他の冒険好きなトヨタ車とともに生き続けます。」