―[道路交通ジャーナリスト清水草一]―

◆がんばれマツダ! 負けるなマツダ!

マツダが新型高級SUV CX-60を発売! 価格帯は299万2000円〜626万4500円。同一車種なのに価格に倍近い開きがあるのは、4種類のパワートレインを用意しているから! 値段で言えば一番高いのはプラグインハイブリッドなんですが、週刊SPA!カーマニア軍団が注目しているのは、直6ディーゼルエンジン搭載モデル。マツダ渾身の直6エンジンを堪能してきました!

永福ランプ(清水草一)=文 Text by Shimizu Souichi
茂呂幸正=写真 Photographs by Moro Yukimasa

◆マツダの直6は、BMWやベンツに勝てるのか!? いや、勝ってくれ!!

 直列6気筒エンジン。それは完全バランスを誇るカーマニア夢のエンジン。回転がウルトラスムーズで気持ちイイのである。週刊SPA!担当Kも、かつて直6のBMW525iを中古でゲットし、極悪燃費(リッター5辧砲噺両磴陵鬚紡僂┐拭

「燃費なんていーんですよ、男の夢だったんですから! 買えればもう一度欲しいですよ、BMWの直6!」(担当K)

 実は現在、直6エンジンを作っているメーカーは世界にごくわずかしかない。BMWのほかはメルセデス・ベンツぐらい。トヨタや日産など国産勢は20年前に撤退し、FF(前輪駆動)車にも使えるV6へと転身した。直6は現在、極めてゼイタクなエリート専用のエンジン形式なのである。

 ところが! そこに突如としてマツダが参入した! ディーゼルだけど!

◆なぜマツダが直6?

 いや個人的には、加速も燃費もいいディーゼル大歓迎! BMWもメルセデスもディーゼルの直6を作ってるぜ!

 なぜマツダが直6かと言えば、小メーカーの生き残り戦略である。高付加価値の大型車を売って利益を上げるためには、でっかいエンジンが必要だ。直6は、直4に2気筒付け加えれば作れるので、V6を新開発するよりは安上がり。ついでに気持ちもイイ。

◆逆張りの生き残り戦略

 電動化の時代に、なんで今さら直6なんか作るのか。「マツダは狂ったのか!?」という意見もあるが、クルマがそうすんなりとEV化するとは限らない。ある意味逆張り! それもまた一つの生き残り戦略である。

 というわけで、マツダが新開発した直6の3.3リッター・ディーゼルターボエンジンは、48Vマイルドハイブリッドと組み合わされ、マツダのラージ商品群第1弾であるCX-60に搭載された。その出来栄えは、BMWやメルセデスに迫れたのか!?

 たぶん、かなりイイのではないでしょうか……。

◆燃費をBMWと比較すると…

 マツダの直6ディーゼルの特徴は、パワーが控えめなぶん、燃費が非常にいいことだ。CX-60のカタログ燃費はリッター21.1辧BMW X5の直6ディーゼルはリッター12.4辧0犠,任△襦

 そのぶんCX-60の最大トルクは500Nmで、X5の620Nmに負けてるが、アクセルを深く踏み込めば、直6というよりV8みたいな「バルルルル〜ン」という勇ましいサウンドを発して「グワーッ」と加速する。十分だぜ!

 燃費の良さも本物で、街中でもリッター12辧高速巡航ならリッター20劼睫瓦犬磴覆ぁバカデカいEVよりエコかもしれないし、直6のためにリッター5劼紡僂┐臣甘Kにすれば、夢のような低燃費。こういうゼイタクな大型SUVを買う人が、どれくらい燃費を重視するのか、それがウリになるのか、という問題もあるが……。

 とりあえずこのクルマ、値段は550万円くらいしますけど、CX-5(直4の2.2リッター・ディーゼルターボ)より燃費がイイし、もちろん加速もイイ。見た目や内装もゼイタクだ。

 カーマニアとしてはマツダの挑戦を支持するほかないじゃないか! 健闘を祈るぜ!

◆【結論!】

最初の試乗車はアタリがついていなくて、エンジンもハンドルも乗り心地もメチャ固かったりしたのですが、あとでアタリがついてる試乗車に乗ったら全部良くなってました。ナラシ運転が終われば別物になるはず!

―[道路交通ジャーナリスト清水草一]―

【清水草一】
1962年東京生まれ。慶大法卒。編集者を経てフリーライター。『そのフェラーリください!!』をはじめとするお笑いフェラーリ文学のほか、『首都高速の謎』『高速道路の謎』などの著作で道路交通ジャーナリストとしても活動中。清水草一.com