東芝ライフスタイルは9月30日、ルームエアコン「大清快」フラグシップモデルを7年ぶりにフルモデルチェンジした「DR」シリーズを発表した。11月下旬に発売する。

6畳用から26畳用まで9機種をを揃え、価格はオープン。店頭予想価格は284,000円前後〜416,000円前後の見込み。

「DR」シリーズを設置したところ

○10,000通りの風向調整が可能に

新たなフラッグシップモデル「DR」シリーズは、「大清快」シリーズのコンセプトである快適・清潔・省エネを追求したモデル。

快適性については、車の自動運転技術や気象観測にも使われている「レーダー」を国内家庭用エアコンで初めて搭載。レーダーから発射されたマイクロ波により人の動きを検知し、風を当てる/当てないといった気流制御が可能となった。

従来センサーでの人の検知は、おおよその位置検知だったのに対し、レーダーでは高い精度かつ人の動きをリアルタイムで捉えられるという。レーダーにより10,000通りの風向調整が可能で、部屋の中を人が移動した場合でも追従して気流をコントロールする。

レーダーの稼働イメージ。気流を細かくコントロールできる

また、レーダーがエアコンからの距離が一番近い人を検知して風を当て続ける「レーダー風あて」も搭載。屋外から帰ってきたときや、お風呂上がりに涼みたいときに役立つ機能だ。

レーダーで室内機と近い場所にいる人を検知し、集中して風を当てる

このほか、エアコンの風を拡散してやわらかい風に変える「無風感空調」に、気流制御機能を追加した。

無風感空調は、室内機の吹出し口に備えた「無風感ルーバー」に無数の穴を設け、この穴を気流が通り抜けた際に通常の気流とぶつかることで風を拡散。体への風当たりを和らげる機能だ。

新モデルでは、部屋の窓側は通常の風、室内側は無風感とするなど、無風感の気流を送る方向を選べるようになった。例えば熱源のあるキッチン方向へは通常の風、在宅ワークするリビング方向へは無風感といった送風分けが可能になる。

○エアコン内部をUVで照射

清潔については、除菌効果のあるUV-Cを照射するユニットを内蔵し、UVを照射しながらエアコン内部を除菌する「UVプレミアムクリーン除菌」を新たに備えた。

もともと「大清快」には熱交換器の汚れを結露水で洗浄する機能があったが、新モデルでは結露水を利用した「冷房洗浄」、「プラズマ空清」による内部乾燥、熱交換器を加熱する「暖房乾燥」、「送風乾燥」それぞれの工程でUV照射を行い、エアコン内部を清潔に保てる。

UV照射のイメージ。冷房洗浄/プラズマ空清/暖房乾燥/送風乾燥のそれぞれでUVを照射

また、空気中のウイルスやカビ、細菌、花粉、PM2.5といった有害物質を帯電させて除去する「プラズマ空清」では、集めた汚れにUVを照射して有害物質を抑制できるようになった。

室内機にはセンサーを備え、部屋の空気の汚れを測定。汚れ度合いに応じてランプ色が赤(汚れている)/黄/緑(きれい)と3段階で変化する「エアモニター」や、空気の汚れを検知すると自動で空気清浄運転を開始する「空清みはり」を新搭載した。

付属リモコンは大型液晶を搭載した新デザインを採用し、抗菌仕様となっている。

赤(汚れている)〜緑(きれい)のランプで空気の汚れを表示。自動で空気清浄を開始する機能を備えた

○人の不在時には自動で運転を弱める

省エネについては、新搭載のレーダーにより人の在室を検知し、一定時間不在にした場合に自動で運転を弱める「不在節電」、明るさにより設定温度を自動補正して無駄な運転を省く「日あたり節電」などを備えた。

運転温度は、これまで外気温48度までだった冷房運転可能温度が、外気温50度まで運転可能に。このほか、スマートフォン専用アプリ「IoLIFE」のインタフェースを見やすいデザインに改善している。

DRシリーズの室内機

DRシリーズの室外機

DRシリーズのラインナップは6畳向けから26畳向けまで全9製品。いずれも適用畳数の違いのみで、機能差やサイズの違いはない。