インドに住む32歳の男性の胃から、63本のスプーンが摘出された。男性は「スプーンを無理やり食べさせられた」と主張しているが、担当医は男性が摂食障害の一つである「異食症」の可能性であることを指摘している。『Times of India』などが伝えた。

インド、ウッタル・プラデーシュ州ムザッファルナガルのエヴァン病院(Evan Hospital)に今月中旬、ヴィジャイ・クマールさん(Vijay Kumar、32)が酷い腹痛を訴えて訪れて来た。

ヴィジャイさんは数日間飲食もできない状態で、医師は当初、腹部の腫瘍を疑った。しかしレントゲンやCT検査の結果、胃の中に多数の金属製スプーンを確認、27日に2時間以上をかけた摘出手術が行われた。

開腹術を行ったラケイ・クラーナー医師(Dr.Rakesh Khurana)によると、摘出されたのはスティール製スプーンの柄の部分63本で、飲み込みやすいようにつぼの部分で折られていたという。またヴィジャイさんは手術後、集中治療室にて治療を受けており、順調にいけば数日で退院できるそうだ。

なおクラーナー医師は「患者に『なぜ胃の中に63本ものスプーンがあるのか』と聞くと、『無理やり食べさせられた』と答えた」と話しており、ヴィジャイさんの甥アジャイ・チャウダリーさん(Ajay Chaudhary)もメディアのインタビューで「叔父は1年前から地元の薬物依存治療センターに入院していた。センターの管理者らは1年間、叔父に無理やりスプーンを食べさせていたようだ」と明かした。

ただ警察は、この件に関しての苦情を受けてはおらず、エヴァン病院の医師らも「ヴィジャイさんがいつスプーンを飲み込んだかについては分からない」と困惑している。

一方でクラーナー医師は「これは私の35年近いキャリアの中で初めてのケースだった」と述べ、ヴィジャイさんの精神状態に問題があることを指摘、次のような見解を示した。

「患者は健常な精神状態であるとは考えにくく、『異食症』である可能性が高い。スプーンを飲み込むのは簡単ではなく、かなりの痛みを伴うはずで、精神状態が普通であればそんなことはしない。これは明らかに異常な行動だ。」

ちなみに異食症とは、栄養価の無い炭や金属、粘土や土などを無性に食べたくなる摂食障害のひとつで、過去には20代女性の胃から720万円相当、重さ1.5キロ超の金や硬貨が、17歳少女の胃から毛髪の塊7キロが摘出されていた。

画像は『The National 2022年9月28日付「Indian man has 63 spoon handles removed from stomach」(Photo: Dr Rakesh Khurana)』『Times of India 2022年9月29日付「Stomach this! Doctors find 63 spoons in man’s tummy in Muzaffarnagar」』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 A.C.)