ピーク時にはグループでパチンコホール11店舗を展開していた

 旭金属熱錬(株)(TDB企業コード:580233051、資本金3200万円、大阪府大阪市住之江区中加賀屋3−13−4、代表南武志氏)は、9月29日に大阪地裁へ自己破産を申請し、同日破産手続き開始決定を受けた。
 
 破産管財人は野村剛司弁護士(大阪府大阪市北区西天満4−3−4御影ビル2階、なのはな法律事務所、電話06-6311-7087)。
 
 当社は、1931年(昭和6年)創業、54年(昭和29年)12月に法人改組した。当初は船舶向け金属部品の熱処理加工を行っていたが、80年代に入るとパチンコホールの運営にシフト。「ハイパーアサヒ」などの名称でホールの運営を手がけ、大阪市内のほか、大阪府南部および北摂エリアで11店舗を展開するアサヒグループを形成して規模を拡大。当社は2007年9月期には年収入高約64億1200万円を計上していた。

近時はグループ再編を進めていたが……

 しかし、それ以降は改正風営法に基づく出玉性能制限機種(いわゆるパチスロ5号機)への切り替えに端を発する業界不振の影響に加え、同業他社との顧客争奪戦の激化などで収入高は減少傾向で推移。グループ全体で抱えていた有利子負債の返済が重荷になり資金繰りも悪化していた。さらに2020年以降は新型コロナウイルスの影響で一時休業を余儀なくされたうえ、その後の来店客数も低調に推移。グループ全体では不採算店舗の閉鎖や経営権の譲渡を実施するほか、2022年5月にはグループ7社を吸収合併するなどで合理化を進めていた。

 そのようななか近時は、関係会社の(株)ピースマイル(TDB企業コード:114013738、大阪市平野区)が「SUPERジャンボ」、(株)ピーレオン(TDB企業コード:524008456、大阪府岸和田市)が「Asahiスーパーライト館岸和田店」の運営を手がけ、当社は関係会社に対して不動産賃貸の収入を得ていた。しかし、同年7月末には所有不動産に対し債権者から仮差押えが登記される事態が発生。このため、事業継続は困難と判断し8月30日に事後処理を弁護士に一任していた。
 負債は債権者約87名に対し約22億5000万円。

関係会社はスポンサーを募る

 なお、関係会社の(株)ピースマイルと(株)ピーレオンは、9月20日に大阪地裁へ自己破産を申請し、同日保全管理命令を受けている。保全管理人は野村剛司弁護士。負債はピースマイルが債権者約63名に対し約2億3000万円、ピーレオンが債権者約49名に対し約1億5000万円。
 現在、営業権の譲渡などを図るためスポンサーを募っている。