青柳は6回1失点の粘投で8試合ぶりとなる13勝目

■阪神 4ー1 ヤクルト(27日・神宮)

 阪神は27日、ヤクルト戦(神宮)に4-1で勝利し、3位タイに浮上した。先発の青柳が6回1失点で8試合ぶりとなる13勝目をマーク。チームはCS争いに踏みとどまったが、現役時代にヤクルト、日本ハムなど4球団で捕手として活躍した野球評論家・野口寿浩氏は「絶対にやってはいけないミスがあった」と指摘した。

 先発の青柳は序盤に制球に苦しんだが、6回1失点の粘投。打線は初回に中野の先頭打者弾、4回には無死一、二塁から原口が5年ぶりの犠打を決めチャンスを広げると、高寺の犠飛、5回も大山の左前適時打などでリードを広げた。

 CS争いは巨人、広島、阪神の3球団に絞られ、自力での進出がない状況。阪神は今季負け越しているリーグ連覇のヤクルトと最後の3戦。負ければ“痛い1敗”だったが、敵地での初戦を投打の噛み合った執念の勝利でものにした。

 若手主体のヤクルトだったとはいえ、白星を手にしたチームに野口氏は「序盤は選手たちも固かったが、原口のバントなどが生きた。ここから先の戦いに“聖域”はないでしょう。3球団ともそうですが、ここからはどんな手段でも勝たないといけない」と語る。

5回にタイムリーを放った大山が捕手からの送球で牽制死

 ただ、見過ごせないミスもあった。野口氏が「試合に勝ったので良かったですが、流れが大きく変わる場面」と指摘したのは2点リードで迎えた5回の攻撃だった。1死一、二塁から大山が左前適時打を放ったが、続く原口の打席で捕手・内山からの送球に一走・大山が戻れず牽制死。その後、原口が中前適時打を放ち4点リードする展開となった。

 わずかな隙から生まれた“1アウト”に「走塁ミスは一番、相手に流れを持っていかれやすい。3点リードはセーフティリードじゃない。結果的に原口が打ってくれたが、あの場面は絶対にアウトになってはいけない」と野口氏。

 青柳は6回に宮本にソロ、さらに2死一、二塁のピンチを作っており、まだまだ試合展開は分からない状況だった。野口氏はCSを争う3球団に決め手はないと見ているが「やはりミスをするチームが落ちていくと思います。勝ったからOK。で済ませてはいけません」と指摘する。

 泣いても笑ってもシーズンは残り2試合。ライバルにプレッシャーをかけるためにも、タイガースは勝ち続けるしかない。逆転でのCS進出に向け、隙の無い試合運びを見せてもらいたい。(橋本健吾 / Kengo Hashimoto)