経済難が深刻化する北朝鮮で、売春を行う女性の年齢が低下傾向にあると、米政府系のラジオ・フリー・アジア(RFA)が報じている。

咸鏡南道(ハムギョンナムド)の咸興(ハムン)の事情に明るい住民はRFAに対し、今年7月に現地の安全部(警察)と青年同盟が合同で駅前や公園、路上での客引き行為に対する集中取り締まりを行ったと伝えた。

この住民によると、「安全部と青年同盟が合同で行った咸興駅前周辺での取り締まりでは、1日で34人の女性が捕まった。女性のほとんどが20代だが、学校を卒業したばかりの10代の女性も数人含まれていて地元社会にショックを与えた」という。

住民はさらに、「私の目にも、ここ数年間、人民の生活が深まるのと共に性売買に身を投じる女性が増えているように見える」とし、「夜になると、咸興駅前で列車の出発を待っている男性らに性売買を持ちかける女性らが、以前よりかなり増えた。夜だけでなく、駅前では昼にもそういった女性の姿を見かける」と話した。

北朝鮮は鉄道の運行状況が不安定なため、駅前には、列車が動くまで乗客らが滞在する「待機宿泊」と呼ばれる宿がある。乗客でなくとも一般人が気軽に利用できるため、性売買の温床にもなっているのだ。

実は、こうした性売買に10代の少女が身を投じているとの情報はほかにもある。

北朝鮮の平壌市安全局(警視庁)は咸興での摘発と同時期に、全国の大都市で組織的な売春斡旋を行ってきた組織を摘発し、関係者ら30人を逮捕した。

平壌のデイリーNK内部情報筋によると、逮捕されたのは組織のトップである40代男性のA氏ら30人。すでに極刑に処されたと見られている。

(参考記事:「女性16人」を並ばせた、金正恩“残酷ショー”の衝撃場面

彼らは、平壌郊外の物流の拠点である平城(ピョンソン)、全国第2の都市である咸興、貿易都市の新義州(シニジュ)と元山(ウォンサン)、黄海北道(ファンヘブクト)沙里院(サリウォン)の5都市に拠点を置き、派遣型の性売買組織を営んでいた。

そして、この性売買ネットワークに網羅された女性の中に、やはり高校を卒業したての10代の少女が含まれていたのだ。

近年、デイリーNKの情報筋やRFAがもたらす北朝鮮の内部情報の中には、こうした話が増えてきた。北朝鮮がコロナ鎖国を続ける現在、内部情報の入手は以前よりずっと難しくなっているにも関わらずだ。

いずれコロナ鎖国が解除されたら、この間に激変した北朝鮮社会の驚くべき実態が明らかになるかもしれない。