他の者に対して嫉妬するという感情を抱くのは人間だけではないようだ。このほどタイのある一家で飼われている犬が、飼い主の女性を襲って重傷を負わせてしまった。原因は女性が他の犬に食べ物を与えていたことで、嫉妬心から襲ったのではないかと言われている。『The Daily Star』『Thaiger』などが伝えた。

タイ東北部ナコーンラーチャシーマー県在住のスパポーン・ワンジャルクランさん(Supaporn Wangjulklang、60) が、飼っている雄のアメリカン・ピット・ブル・テリア“ナチ(Nazi、6)”に襲われて大怪我をした。

タイのメディア『Thaiger』によると、スパポーンさんが襲われたのは現地時間19日の午後2時頃で、彼女は自宅前で“チャオカオ(Chao Kao)”と呼んでいる野良犬に肉料理を与えていた。ところがその様子を見ていたナチが突然唸り声をあげてスパポーンさんに飛びかかり、腕と首元に噛みついたのだ。

すぐにそばにいた夫のトップさん(Top、65)が引き離そうとしたが、ナチはスパポーンさんに噛みついたままだった。最終的にトップさんは鉄の棒を使ってナチの顎をこじ開けてスパポーンさんから引き離し、自宅の中に閉じ込めた。スパポーンさんは噛まれた傷が大きかったようで、大量に出血していたという。

近所に住むドゥアンドゥアン・ロドヤさん(Duangduan Rodya)が異変に気付いて救急隊に連絡していたこともあり、スパポーンさんは駆けつけた救急隊員によって応急処置が施され、搬送された病院で治療を受けた。

ドゥアンドゥアンさんは、時々スパポーンさんとトップさん夫妻が留守の際にナチの世話をしていたようだが、今回のことで「ナチの世話は二度とすることはないだろう」と語っている。夫妻はナチを子犬の頃から可愛がってきており、近所の住民に時々世話を頼んでいたが、これまで特に大きな問題はなかったという。

今回の原因についてトップさんは、スパポーンさんが他の犬に餌を与えたことで「ナチは嫉妬したのではないか」と話している。なおナチが今後、どのように扱われるかは分かっておらず、スパポーンさんのその後の容体についても伝えられていないようだ。

ちなみに英語圏でナチ(Nazi)はナチス・ドイツを意味するが、地元メディアでは特にナチの名前について言及していない。

画像は『The Daily Star 2022年9月20日付「Pitbull named ‘Nazi’ ‘violently’ mauls owner after jealousy over feeding other dog」(Image: ViralPress)』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 MasumiMaher)