2022年9月10日、「中秋の名月」。今年は見事な満月が各地で目撃され、その姿を捉えた数々の写真がツイッター上にも投稿された。

その中でも、

「撮る人が撮ったらこんなキレイなのが撮れるんですね......すごすぎ」
「お月様がパワーをくれているみたいだ」
「え、これ......実際の景色ですよね。合成とかじゃないですよね??」

と多くのユーザーからの感嘆の声が寄せられている圧巻の一枚がある。それが、こちらだ。

これは写真家の「うさだぬ」(@usalica)さんが「中秋の名月が朧月となって空に浮かんでいました」と呟きながら投稿した写真。

細く棚引く雲や、金色に淡く光る月に秋の風情を感じずにはいられない。

どうしたら、こんなにも美しい姿を収めることができるのだろう。Jタウンネット記者は13日、うさだぬさんに話を聞いた。

悪天候で撮影を諦めかけていたが...

うさだぬさんは京都府宇治出身の写真家。職業カメラマンとして勤務しながら、「京都風景写真家」としても地元・京都の四季の風景を撮影し、SNSや書籍で数々の作品を発表している。

話題の写真を撮影した10日も、京都府内で中秋の名月を撮影するために、その時を待っていたという。しかし夕暮れ前は雨が降ったり雲が増えたりといった状態で月が見えず半ば撮影を諦めていた。

状況が変わったのは19時頃。改めて空を見ると、見事な月が現れていたのだ。

「雲に囲まれながらもこんなにはっきりと見えるとは思ってなかったので、びっくりしました」(うさだぬさん)

うさだぬさんは見晴らしの良い場所に三脚を立て、望遠レンズを載せて撮影を決行。しかも、ただカメラに収めるだけではない。

「夜空や雲に比べて月は極端に明るいので、夜空と雲に合わせた明るさの写真や月が白飛びしない明るさの写真などを段階的に撮影し、合成しました。これはブラケット撮影と言います」(うさだぬさん)

うさだぬさんはこれまでに京都で撮影した四季折々の月の姿をYouTube上でスライドショーにしてまとめており、今回の写真も動画末で「中秋の名月」として紹介されている。

「京都の月」というテーマは同じだが、1枚1枚その表情はまるで違う。次はどんな絶景を私たちに見せてくれるのか、うさだぬさんの活動から目が離せない。

9月21日10時55分編集部追記:記事初出時、本文中に一部誤字がありましたので修正しました