このところは選手の寿命が伸びているとされ、30代になってからも能力のピークを維持できる者が多くなっている。
今回は、イングランド・プレミアリーグに30代で初挑戦したにもかかわらず大成功を収めた5名の選手を特集する。
ルート・フリット
クラブ:チェルシー
プレミアリーグの創成期に活躍したスター選手の一人であるルート・フリット。オランダ代表の重鎮は、30代になってからイングランドへとやってきた。サンプドリアからチェルシーに加入したときには32歳であったが、まだ彼の魔法のようなサッカーセンスは残っていた。
最初のシーズンでチェルシーのシーズン最優秀選手賞を獲得し、FWAの年間最優秀選手賞でもエリック・カントナに次ぐ2位の得票を得るなど高い評価を得た。そして、後に選手兼監督としてチェルシーを指揮し、指導者としての道を歩み始めている。
ジャンフランコ・ゾラ
クラブ:チェルシー
小さな魔法使いと呼ばれたイタリア出身のファンタジスタ。ナポリとパルマでセリエAとUEFAカップを制覇したゾラは、30歳になってチェルシーと契約し、イングランド・プレミアリーグに挑戦した。
加入するとすぐに高い影響力を発揮し、11月からのデビューでありながらもFWA年間最優秀選手賞を獲得。チェルシーの選手では初となる表彰を受けた。素晴らしい技術と正確無比のフリーキックは今も語り継がれるもので、2003年に退団するまで多くのファンに愛される存在であった。
エドウィン・ファン・デル・サール
クラブ:フラム、マンチェスター・ユナイテッド
エドウィン・ファン・デル・サールのキャリアは、若くして移籍したユヴェントスで失速した。イタリアで苦しい時代を過ごした彼は2001年にプレミアリーグへ昇格したばかりのフラムへと加入する。その時すでに30歳だった。
しかしフラムでの4シーズンで輝かしいプレーを見せると、アレックス・ファーガソン監督の誘いでマンチェスター・ユナイテッドへと移籍。プレミアリーグを4回優勝し、UEFAチャンピオンズリーグで3回決勝に進出するなど、「シュマイケルの後継者」として申し分ない活躍を見せた。
クロード・マケレレ
クラブ:チェルシー
マケレレは「銀河系軍団」時代のレアル・マドリーの中心的な守備的MFであったが、華やかなスターに囲まれて過小評価されていた存在だった。そしてチェルシーへの移籍も許可されることになった。
しかしながらイングランド・プレミアリーグに加入した彼はジョゼ・モウリーニョの下で目覚ましいプレーを見せ、その縁の下の力持ちといえるスタイルは「マケレレ・ロール」という代名詞にもなった。
ズラタン・イブラヒモヴィッチ
クラブ:マンチェスター・ユナイテッド
各国のリーグで活躍を見せていたイブラヒモヴィッチが、最後に残していたのがプレミアリーグだった。パリ・サンジェルマンを退団したとき、彼はその挑戦としてマンチェスター・ユナイテッドへ加入。そのときすでに34歳だった。
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もちろんその年齢から疑問符もつけられたものの、デビュー戦でゴールを叩き込み、コロナの影響で短縮されたシーズンで計28点を決めた。2年目のヨーロッパリーグで大きな怪我を負ってしまったことは不幸であったが、彼のインパクトは非常に大きかった。
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