家族でフェラーリを持てるようになった

フェラーリ初のSUVとなった新型プロサングエは、フェラーリにとって近年で最も重要、かつ最も議論を呼んだ発表と言える。AUTOCARは、同社のマーケティング・コマーシャル担当のエンリコ・ガリエラにインタビューを行い、ラインナップにおけるプロサングエの位置づけと、ターゲットとなる購買層について詳しく聞いた。

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――フェラーリにとって、このクルマはどのくらい重要なのでしょうか。

「数年前、わたし達は完全な製品ラインナップを開発することを決定しました」


フェラーリ・プロサングエは同社初の4ドア・4座のSUVとして注目を集めている。    フェラーリ

「この計画は、市場で最も高い性能を持つ、SF90ストラダーレからスタートします。同時に、別のポジションも充実させていこうと考えていました」

「296は最高のパフォーマンスカーではありませんが、運転するのが非常に楽しいクルマです。ローマとポルトフィーノは、他のクルマに抵抗のある潜在顧客に向けて作られました」

「プロサングエは、わたし達が提供する製品の中で、最後に残ったセグメントをカバーするものです。家族でフェラーリを持つことができるようになったのです。これにより、顧客のすべてのニーズに応えることができるようになりました」

V12エンジンで注目度アップ

――プロサングエを購入するのはどんな人なのでしょうか。

「V12エンジンの搭載を発表した途端、人々の関心は爆発的に高まりました」

「現在では、既存の顧客だけでなく、新しい顧客からも多くのリクエストが寄せられています。しかし、既存の顧客以外に初期のモデルを届けるのは難しいでしょう」


プロサングエに搭載された6.5L V12エンジンは最高出力722ps、最大トルク73.0kg-mを発生する。    フェラーリ

「このクルマに対する大きな需要があるとわかったとき、わたし達は既存顧客を優先することにしました。彼らが今のフェラーリを作ってくれたのですから」

――フェラーリ・オーナーの一般的なコレクションはどのようなものなのでしょうか。

「フェラーリ・オーナーのガレージに招かれるたびに、家族で使うため、あるいはもっとスペースが必要なときのためにSUVや大型車も持っているのを目にします」

「彼らはこう言います。『週末に出掛けたり、スキーに行ったりできるような、家族と一緒に使えるフェラーリがないんだよ』と」

「フェラーリ・オーナーの平均的な保有台数についても調査しましたが、それについてお話することはできません。しかし、10年前と比較して、平均サイズが3倍になったということはお伝えできます」