【AFP=時事】インドネシア・スラウェシ(Sulawesi)島で、先住少数民族トラジャ(Toraja)の儀式「マネネ(Manene)」が数日間にわたって行われた。先祖の魂をたたえるため、ミイラ化した親族の遺体を墓から出して清め、供え物をささげる儀式だ。
マネネは通常、夏に行われる。遺体が納まるひつぎは山の中腹に掘られた埋葬窟から取り出される。
数百体がひつぎから出されるトレア(Torea)村では、ミイラとなった先祖に服を着せて一緒に写真撮影する様子があちこちで見られる。
「マネネを行うときは、まず初めに墓室とその周辺をきれいにします」と親族の一人が説明した。「それから遺体を日光の下で干して服を着替えさせます」
スラウェシ島には、約100万人のトラジャの人々が暮らす。死者の魂をたたえるのは「安全で平和、そして幸福に満ちた生活にずっと恵まれるようにです」とトレア村の村長が説明する。
「マネネの儀式では最大の敬意を持って遺体を扱わなければなりません」
「親族は両親や祖先に敬意を払います。敬意を欠けば大変なことになるのです」
【翻訳編集】AFPBB News
■関連記事・「清明節」の墓参り 香港
・コロナでも変わらない伝統 「頭蓋骨の村」の風葬 バリ島
・亡きがらを堆肥化する「グリーン葬」 米国で注目