ACL準々決勝、全北現代戦にスタメン出場した槙野、敗戦後に思いを吐露

 ヴィッセル神戸の元日本代表DF槙野智章は、8月22日のAFCチャンピオンズリーグ(ACL)準々決勝、全北現代(韓国)戦にスタメン出場。

 途中交代した後にチームが延長戦で1-3と敗れた試合後、「クラブとしてこの大会を取りにいく姿勢を出さないといけなかった」と話した。

 槙野は今季から神戸に加入しているが、前所属の浦和レッズ時代に5回ACLに出場して優勝と準優勝を1回ずつ経験している。それだけに「神戸の中で一番この大会を知っている。それをチームに落とし込むのが仕事だったけど、できなかった」と悔やんだ。

 スタメン7人を入れ替えて臨んだ神戸は、槙野も18日のラウンド16での横浜F・マリノス戦に出場機会のなかったところからの出場だった。一方の全北は、神戸と同じ中3日で大邱FCとの韓国勢対決を延長戦の末に勝ち上がっていたが、ほとんどスタメンの変更はなかった。吉田孝行監督の考えはあるとしつつも、槙野は浦和時代のACLに対する姿勢との違いを感じたという。

「クラブとしてこの大会を取りにいく姿勢を出さないといけなかったと思う。浦和の時の『みんなで取りにいこう』という感じとは少し違った。優先順位がACLよりもJリーグの残留争いにあったかもしれない。ACLでメンバーを変えるというのはなかなかないこと。僕らはプレーオフ、グループステージ、決勝トーナメントと全部違う監督で戦った。個々のモチベーションというところにもバラつきがあったのかもしれない」

 槙野は1-1の同点で迎えた後半29分にDFマテウス・トゥーレルとの交代で退いた。延長戦でビハインドを背負った後、ベンチを飛び出して選手を鼓舞して第4の審判員に制止される場面もあったが、そうした熱量の部分はチームで共有し切れなかったのかもしれない。

 スタジアムを後にする槙野は「あとは、日本勢の代表として浦和に頑張ってほしい。この前の試合の後、僕たちはマリノスの選手たちに励ましてもらった。僕は浦和にいたわけだし、勝ち方を知っているクラブなので」と古巣にエールを送っていた。(轡田哲朗 / Tetsuro Kutsuwada)