高水圧で汚れ落としと時短が可能

 クルマの洗車はボディを労わりながら優しく手洗いするのがベストな方法のひとつですが、最近、階段や外壁など家屋の汚れ落としにも使えると人気になっている「高圧洗浄機」で洗車する人が見受けられます。

高圧洗浄機による洗車は注意が必要

 TVの通販番組やホームセンターなどで実物を見たことがある人もいるでしょうし、コイン洗車場などに高圧洗浄機が備え付けられており、使用したことがある人もいるのではないでしょうか。

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 しかし、強い水圧の高圧洗浄機を洗車で使用する場合、気を付けなくてはならないことがあるようです。

 都内のコーティング専門店スタッフ、Cさんに聞いてみました。

「家庭用の高圧洗浄機であれば、手が届きにくい汚れなども落としやすくなりますし、一気に広範囲を洗い流せるので時短にもつながります。

 ただし闇雲に使えば良いわけではなく、水圧の強さを調節しながら使うと良いと思います」

 洗浄力にも関係してくる水圧(吐出圧力)は「MPa(メガパスカル)」という単位で表されます。数値が高いほど水圧も強く、洗浄力も高くなるのですが、洗車の場合は強すぎてもダメだそうです。

 水圧には「常用吐出圧力(普段使いでの強さ)」と「最大吐出圧力(最大限出せる強さ)」があるのですが、洗車に適した常用吐出圧力はどれくらいなのでしょうか。

「トラックやダンプカーのような大型車、またはオフロード走行などをしたクロカンなどは7MPaあると良いのですが、そこまで激しい汚れがない一般的なクルマであれば2〜5MPaで十分でしょう」(コーティング専門店スタッフ Cさん)

 高圧洗浄機を使った洗車は、どのような手順でおこなえば良いのでしょうか。

「高圧洗浄機を使用する場合は、最初の汚れを洗い流す作業と、洗剤で洗った後のすすぎに使うようにしてください。

 いきなり細部まで高圧洗浄機の高水圧を使ってしまうと、塗装面を傷める恐れがあります。

 高圧洗浄機で洗車する場合、まず足回りから洗います。普段はなかなか手が届かないホイールハウスのなかの汚れも高水圧で洗い流してください。

 タイヤやホイールに付いた汚れも洗い流せますが、ブレーキローターなどはせっかくついているグリスまで飛ばしてしまう可能性があるため、水圧を弱めてから洗いましょう」(コーティング専門店スタッフ Cさん)

 次にボディですが、洗剤などを洗い流すためにドアの接合部などを勢いよく流したくなりますが、Cさんいわく、高水圧ではかなりの確率で水が入り込み、車内が濡れてしまうのだとか。このあたりも水圧を調整して使用する必要がありそうです。

「ボディは通常の洗車と同じくルーフなど上から洗っていきます。ただし、ここでもサンルーフの外周ゴムやバックドアのウェザーストリップなどゴム部品は、高水圧ですと車内に水が入ることもありますので、直接噴射するのは避けてください」(コーティング専門店スタッフ Cさん)

 また、エンブレムの周辺も要注意です。エンブレムは接着剤のみで付いていることが多く、高水圧だと剥がれてしまう可能性があるので、洗車のときは丁寧に洗いましょう。

再塗装したボディは要注意!

 ボディの傷などを補修するのに再塗装した箇所も、長時間高水圧をかけ続けるのはNGだといいます。

 これも塗装面の隙間から水が入り、密着剤(プライマー)を流してしまう可能性もあるため、水圧を弱めて使用するのがコツなのだそうです。

高圧洗浄機による洗車は注意が必要

「やりがちなのが、汚れかと思って高水圧をかけ続ける行為ですが、再塗装面の場合、プライマーの密着不良などで細かい亀裂などが発生することが稀にあります。

 ここに高水圧をかけてしまうと、内側に水が入り込み、水圧で傷口を広げてしまうのです。

 汚れは洗剤で落とし、高圧洗浄機は全体を洗い流すときに使ってください」(コーティング専門店スタッフ Cさん)

 高圧洗浄機にはさまざまなタイプがありますが、電源コードありかコードレス、給水方法が水道直結式かタンク式、バケツの水やお風呂の残り湯などが有効活用できる自吸式などが選べます。

 Cさんにおすすめのタイプを聞いてみたところ、コードレスのタンク式でも十分ですが、水量の確保などを考慮すると水道直結式の電源コードありが使いやすいそうです。

「通常の洗車と同様に、直射日光の当たらない場所での作業をおすすめします。

 また高圧洗浄機のモーター作動音がけっこう大きいので、早朝や深夜は控えるなど、周囲への配慮も忘れず使用してください」(コーティング専門店スタッフ Cさん)

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 外壁などの汚れが高圧洗浄機でドンドン落ちていく様子を見ると、クルマの汚れも一気に落としてくれそうなイメージがありますが、実際はあまり強い水圧だと塗装を傷付ける恐れがあります。

 洗車で高圧洗浄機を使うときは、箇所によって水圧を調整することが大切です。