8月に入りさらに猛暑が続いているが、夏らしい心霊体験で体の内側からスーッと涼しくなれる怖い話をお届けしよう!本作は著作権フリー&無料配信のツイキャス「禍ちゃんねる 百怪忌念スペシャル」で語られた「扇風機の家」を大家(@ksyjkysk)さんが再構成し、漫画化したものだ。

【漫画】開けてはいけない和室をふすまの穴からそっと覗いてみると?<本編を読む>

■割のいいアルバイトの裏側

実家暮らしの主人公は、大学の夏休みにアルバイトをしたい。しかし、親はアルバイトをするくらいなら「勉強しろ」と言う。長い夏休みにお金もなく、一日中家にいるのもつまらない主人公の元に大学の友人から1本の電話がかかってきた。

友人は「親戚が留守の間だけ留守番を頼まれた」と、住み込みのバイトをしていた。暇なら遊びにこないか?と言う誘いだった。時間を持て余していた主人公は、その家に合流。友人はバイト代の他にも、生活費をもらっているという。

食べ放題、飲み放題、ゲームもやり放題!と、1人でつまらない日々を過ごしていた友人とともにアルバイト期間を一緒に楽しむことした。

友人が頼まれたバイトは、防犯上の理由で留守番をするだけではない。「夜11時になったら奥の和室にある扇風機をつけっぱなしにする」「朝まで扉は開けない」と言うルール付きの仕事もある。

和室に行くと、畳一面に射的の景品のような小さなおもちゃがたくさん置かれていた。それを全て立てて並べて、扇風機をつける。風量は「強」で首ふりにする。時間は、夜11時から朝7時まで。朝になると扇風機のせいで全部倒れてしまっている。

夜に再び倒れてしまった小物を起こし、扇風機をつける。これがアルバイトの一つだった。簡単な仕事だが「なんでそんなことをするの?」と疑問を投げかけると、友人はその理由を教えてはくれなかった。

ある夜。主人公が夜中に和室の前を通り過ぎると、小物が倒れる音がする。中を見ようとしたが、「朝まで開けちゃダメなんだって」というルールを思い出してやめた。

その後、友人がリビングから和室が見えないようにソファを移動したり、親戚に電話をしたりする。少しずつ様子がおかしくなってきた友人を見て、あの和室には何かがいると気づく。そして「開けてはいけない」なら「覗いてみればいいのでは?」と中を覗いてしまう。

奇妙な和室で起きていることを扇風機の音でかき消し、なかったことにしようとしている。果たしてそれで解決するのかは謎だ。本作は「怖いけど読んでしまう」「ゾクゾクした」などのコメントとともに1.2万のいいねと5271リツイートを獲得している(2022年7月現在)。

また、夏休みの今なら大家さんの作品を一気読みできるチャンス!大家(@ksyjkysk)さんといえば、「僕らの夏と灰」や「嵐の日の来客」などミステリーともオカルトともいえない奇妙な話をウォーカープラスで紹介してきた。いずれも「鳥肌が立つ!」「静かに怖い」と話題の作品ばかり。この夏、静かな恐怖にどっぷり浸かるのも悪くない。

画像提供:大家(@ksyjkysk)