連日の暑さで食欲が落ち、身体が重く感じる……。そんな夏の不調を吹き飛ばすのが『梅干し』! いつも冷蔵庫に入っているけれど最近食べていない人は、もったいないことをしているかも。

【写真】梅干しを使ってさっぱり!夏の不調を吹き飛ばすレシピ8選

1日1個の梅干しで夏バテ、疲れ知らず!

 “梅はその日の難逃れ”といって、朝、梅を食べれば1日災難に遭わないなんてことわざもあるほど。その健康効果は疲労回復からアンチエイジングまでさまざまだ。

「1日1粒の梅干しが、今と将来の健康に役立ちます」

 と教えてくれたのは、20年以上にわたって梅干し研究をしている宇都宮先生。梅干しの酸味は唾液の分泌を促して食欲を増進し、クエン酸は体内にたまった疲労物質の分解や新陳代謝を助けるので、夏バテ防止の強い味方になる。

 また、抗酸化物質を含む梅リグナンには身体の酸化反応を抑制して肌のシミやシワを改善する働きや、梅の香り成分“バニリン”には脂肪を燃焼させて脂肪細胞を小さくする効果もある。

「実験では、梅干しを電子レンジで1分加熱するとバニリンが約20%増えました。温めると量が増え、冷めても減ることはないので、煮物や炒め物に梅干しを加えてもいいですね」

 ほかにも、日常的に梅干しを摂り続けた人は、年齢を重ねても骨や胃腸の状態が良好だというから侮れない。

「塩分が気になる場合は、食事全体で使う塩の量を調整するといいでしょう。自分と家族の健康管理にぜひ梅干しを役立ててほしいですね」

調味料感覚で使えば定番料理も“味変”!

 身体にうれしい栄養がつまった梅干し。でも、毎日粒のまま食べるのは飽きてしまいそう……。そんな人でも普段の食事においしく取り入れられるコツを料理研究家の小林まさみさんに聞いた。

「梅干しを調味料として使うと食べやすくなります。塩味、酸味を生かして、塩、しょうゆ、酢やレモンの代わりに加えてみてください。梅の香りもプラスされて、さわやかな料理に仕上がりますよ」

 酸っぱいのが苦手な場合は梅干しを加えるタイミングがポイントで、あらかじめ合わせ調味料にして加熱すると酸味がおだやかに。また、みりんやジャムなどと一緒に使うと、甘さとともにコクがアップする。逆に料理のアクセントとして酸味を利かせたいときは、仕上げに加えればOK。

「もっと簡単に取り入れるなら、米1合と梅干し1粒を一緒に炊くのもおすすめです。酸味はとんで傷みにくくなるので、お弁当にぴったりなご飯になります」

 今回は塩分17%の梅干しを使った料理を教えてもらったが、減塩タイプやはちみつ入りなど使う梅干しによってほかの調味料は加減を。唐揚げやチャーハンなどいつものメニューに“プラス梅干し”で、意外なおいしさを見つけよう!

鶏の唐揚げピリ辛梅ソース

材料/2人分
・鶏もも肉……1枚(300g)
・卵……小1/2個(25g)
・片栗粉……大さじ2
 A[しょうゆ、酒……各大さじ1/2]
 B[梅干し(種を除いてたたく)……2個(正味大さじ1)、水……1/2カップ、あんずジャム………大さじ2、しょうゆ・砂糖……各小さじ1、豆板醤……小さじ1/4、片栗粉……小さじ1/2]
・揚げ油……適量
・ベビーリーフ……適量

【作り方】

(1)鶏肉は水けをふいて筋と脂肪をのぞき、ひと口大に切ってボウルに入れ、Aをもみ込む。次に卵をもみ込み室温に20分おいた後、片栗粉をもみ込む。

(2)フライパンに深さ2 cmの揚げ油を入れ180度に熱する。鶏肉を入れ、4〜5分こんがり揚げる。

(3)フライパンの油を除いてペーパータオルでふき、混ぜたB、2を戻し入れ、強火で炒め合わせる。器に盛りベビーリーフを添える。

《POINT》ジャムは、イチゴやマーマレードでもOK。フルーティな甘みが梅の酸味をまろやかに

豚肉の梅バター焼き

材料/2人分
・豚ロース肉(しょうが焼き用)……4〜6枚(250g)
・ズッキーニ……1本(150g)
 A[梅干し(種を除いてたたく)……2個分(正味大さじ1)、しょうゆ・みりん・酒……各小さじ2、砂糖……小さじ1]
・片栗粉…… 適量
・塩・こしょう……少々
・サラダ油……大さじ1と1/2
・バター……大さじ1

【作り方】

(1)ボウルにAを混ぜておく。ズッキーニは1cm幅輪切りに、豚肉は半分に切り、焼く直前に片栗粉を薄くまぶす。

(2)フライパンにサラダ油大さじ1/2を強めの中火で熱する。ズッキーニを並べ、両面2分ほどこんがり焼き、塩、こしょうして取り出す。

(3)フライパンをふいてサラダ油大さじ1を足し、再び強めの中火にかける。豚肉を並べ、色が変わるまで両面計2分ほど焼く。

(4)フライパンをふいてAを加えて炒め合わせ、火を止めてからバターを加えてからめる。器にズッキーニとともに盛りつける。

《POINT》 仕上げのバターは、火を止めた後にからめることで香りが際立つ。洋風なのでパンとも好相性!

梅塩昆布のレタスチャーハン

材料/2人分
・卵……1個
・鶏ひき肉……80g
・レタス……2枚(100g)
・梅干し……2個
・塩昆布(細切りのもの)……3g
・温かいご飯……300g
・しょうゆ……大さじ1/2
・こしょう……少々
・酒……大さじ1
・サラダ油……大さじ1/2

【作り方】

(1)レタスは食べやすくちぎり、梅干しは種をのぞいてちぎる。中華鍋にサラダ油を入れ、強火で熱する。ひき肉を加え、色が変わってポロポロになるまで炒める。

(2)溶き卵を流してひと混ぜし、すぐにご飯を加えサッと炒める。酒を加え、ほぐしながら炒める。

(3)ご飯が温まったらしょうゆを回し入れ、レタス、塩昆布、こしょうを加え炒め合わせる。最後に梅干しを加えてサッと炒め合わせ、器に盛る。

《POINT》梅はちぎって果肉感を残し、仕上げに加えて酸味を生かす。塩昆布の代わりにちりめんじゃこでも

梅風味サンラータン

材料/2人分
・豚ロース薄切り肉(細切り)……100g
・卵……1個
・梅干し……2個
・たけのこ水煮……1/3個(50g)
・しめじ……1/3パック(50g)
・緑豆春雨……25g
 A[しょうゆ・ごま油…各小さじ1、片栗粉…小さじ1]
・水……3カップ
・酒……大さじ1
・塩……小さじ1/2
・しょうゆ……小さじ1
・粗挽き黒こしょう……少々
・一味唐辛子……少々

【作り方】

(1)春雨は熱湯に5分つけて戻す。豚肉はボウルに入れてAをもみ込む。たけのこは熱湯でサッと茹でて6cm長さの細切りに、しめじは石づきを取って小房に分ける。

(2)鍋に水、酒を入れて強めの中火で煮立て、豚肉を加えて火を通す。アクを取り、たけのこ、しめじ、春雨を加えサッと煮て、塩、しょうゆで調味する。

(3)再び煮立ったら溶いた卵を回し入れ、ふんわり火を通す。

(4)器に盛り、梅干しの種を除いてのせ、粗挽き黒こしょう、一味唐辛子をふる

《POINT》春雨以外にゆでたそうめんや細めのパスタなども合う。辛みは、お好みでラー油に置き換えOK

いかの梅マリネ

材料/2人分
・いか(小)……2杯(250g)
・紫玉ねぎ……1/2個(100g)
・みりん……大さじ1
・オリーブ油……大さじ1
 A[梅干し(種を除いてたたく)……2個(正味大さじ1)、しょうゆ……小さじ1、 酢……大さじ1、オリーブ油……大さじ2]

【作り方】

(1)直径9cmの耐熱容器にみりんを入れ、ラップをせずに電子レンジで30秒加熱して冷ます。紫玉ねぎは薄切りにする。

(2)いかは胴から足をワタこど抜き取り、軟骨、ワタ、目玉、くちばしを除き、洗って水けをふく。胴は1cmの輪切り、脚は足先を少し切り落とし、食べやすく切る。

(3)ボウルにA、みりんを混ぜ、玉ねぎをのせる。

(4)フライパンにオリーブ油を強火で熱していかを炒め、色が変わったらボウルに移して全体をあえる。器に盛りつける。

《POINT》梅干し入りのマリネ液は、茹でたエビや牛肉とも相性抜群。梅の塩気があるので、しょうゆは控えめ

梅ポテトサラダ

材料/2人分
・じゃが芋……2個(300g)
・梅干し……2個
・冷凍枝豆……100g(正味50g)
・かいわれ大根 ……1/2パック(25g)
・カニカマ……3本(40g)
 A[塩・こしょう……少々、砂糖……小さじ1、サラダ油……小さじ2]
・マヨネーズ……大さじ2〜3

【作り方】

(1)じゃがいもは皮をむいて3cm角に切り鍋に入れる。かぶるくらいの水を加えて強火にかけ、ひと煮立ちしたら中火で12分やわらかめに茹でる。ザルにあげて湯を切り、鍋に戻し弱火で炒って粉吹きにする。Aを加えて混ぜ粗熱をとる。

(2)梅干しはちぎり、カニカマは1cm幅に切る。枝豆は流水解凍して豆を出す。

(3)1に2、かいわれ大根、マヨネーズを加えて混ぜ器に盛る。

《POINT》通常、下味で加える酢を梅干しに置き換え。枝豆やかいわれ大根など和風を意識した具材に

梅干し調味料アレンジ:梅のり(保存期間冷蔵で4〜5日)

材料と作り方/出来上がり量…1/2カップ(90g)

(1)直径17cmの耐熱ボウルに焼きのり3枚をひと口大にちぎって入れ、水1/3カップ、しょうゆ小さじ1/2を加えて混ぜる。

(2)ラップをせずに電子レンジで2分30秒加熱し取り出して、種を除いてたたいた梅干し4個(正味大さじ2)、ごま油小さじ1を加えてザッと混ぜる。

《MEMO》スティックきゅうりにつけたり、冷奴にのせたりしてもOK。茹でたほうれん草とあえれば時短副菜に。

梅のり入り卵焼き

材料/作りやすい分量
・梅のり……小さじ2
・サラダ油……適量
 A[卵…2個、水……大さじ2]

【作り方】

(1)ボウルにAを入れて溶きほぐす。

(2)卵焼き用フライパンにサラダ油を入れ、ペーパータオルで全体に塗る。強めの中火で温め、1を適量流し、軽く炒って広げる。

(3)奥側を5cmあけて梅のりを横長にのせ、へらで手前に巻く。卵焼きを奥に寄せ、フライパンに油を塗り、再び1を適量流す。卵焼きの下にも卵液を行き渡らせ、半熟状に焼いたら手前に巻く。もう一度繰り返す。両面焼きつけ、4等分に切って器に盛る。

《POINT》きれいに巻くコツは、初めに流した卵液を軽く炒って広げ、梅のりをのせた芯をしっかり作ること

梅干し調味料アレンジ:梅なめたけ(保存期間冷蔵で4〜5日)

材料と作り方/出来上がり分量…1と1/2カップ強(300g)

(1)えのきだけ大1袋(300g)は石づきを取り、2cm長さに切ってほぐす。

(2)鍋にえのきだけと種を除いてたたいた梅干し3個(大さじ1と1/2)、水大さじ3、酢・みりん各大さじ1、しょうゆ大さじ1/2、塩小さじ1/4を入れて混ぜ、強めの中火にかけ、煮立ったら弱火で7分煮る。

(3)直径10cmの耐熱ボウルにかつお節1袋(2.5g)を入れ、ラップをせずに電子レンジで30秒加熱し、手でほぐす。

(4)2の火を止め、3を加え混ぜる。

《MEMO》びん詰めのなめ茸よりもしょうゆの量を減らして淡い色に。バターと一緒に茹でたパスタとからめてもおいしい。

梅なめ茸そうめん

材料/2人分
・そうめん……2束(100g)
・豚ロースしゃぶしゃぶ……100g
・梅なめ茸……大さじ4
・青じそ……2枚
・大根……4cm
・めんつゆ(ストレートタイプ)……1と1/2カップ

【作り方】

(1)青じそはせん切りに、大根はすりおろして水けをきっておく。めんつゆはよく冷やしておく。

(2)鍋に4カップの湯を沸かして水2カップを足し(約70度になる)、弱火に落として豚肉を3、4枚ずつ加え色が変わるまで茹で、ザルに取り出す。

(3)鍋を強火で煮立ててアクを取り、そうめんを袋の表示通り茹でる。茹で上がったら流水で洗い、氷水で冷やして水けをしぼる。

(4)器にそうめんを盛り、豚肉、大根おろし、梅なめ茸、青じそをのせ、めんつゆをかける。

《POINT》沸騰した湯で茹でるとパサつくので、水を足して湯の温度を下げます。冷水にとらずザルで冷まして。

料理/小林まさみ スタイリング/鈴木亜希子

PROFILE●宇都宮洋才先生●大阪河崎リハビリテーション大学 機能性医薬食品探索講座 教授。梅干しの効能を研究し、テレビ出演や講演で活躍。『やせる!元気になる!焼き梅干しパワー』(監修、宝島社)。※河崎の“崎”の文字は「たつざき」です。PROFILE●小林まさみさん●料理研究家。手軽な材料を使った家庭でも作りやすいレシピに定評。『キユーピー3分クッキング』や『きょうの料理』などのテレビ出演、雑誌や書籍でも活躍。

(取材・文/廣瀬亮子)