赤信号でスマホ触るのはOK?

 最近はスマートフォン(スマホ)などの普及が進み、人との連絡やインターネット、動画を見ることもスマホ1台で可能となりました。
 
 このため、頻繁にスマホを触ってしまうという人や、運転中であっても誰かから連絡が来れば気になってしまうという人もいるかもしれません。
 
 では、赤信号で一時的にクルマが停止した際、合間の時間にスマホを触るのはどうなのでしょうか。

「少しなら…」赤信号ならスマホ触るのは問題ない?(画像はイメージ)

 警察庁の資料によると、スマホなどを含む携帯電話使用などに係る交通事故件数では、過去2017年は2832件、2018年2790件、2019年は2645件と年々増加傾向にあったことが分かります。

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 こうした運転中の「ながらスマホ」の問題を受け、2019年12月1日から運転中の携帯電話等の利用に対する罰則が強化。

 運転中に携帯電話での通話や画像を注視するなどの行為をおこなうなど、運転中にスマホなどを使用した際は「携帯電話使用等(保持)違反」が成立し、違反点数3点、普通車であれば1万8000円の反則金が科されます。

 従来では違反点数1点、普通車で反則金6000円だったことを考えると、かなり罰則が強化されたことが分かります。

 この罰則強化や警察の交通取締りの推進により、前出の携帯電話使用などに係る交通事故件数について2020年では1283件、2021年では1394件と大幅に減少。

 しかし、2021年の携帯電話を使用したことによって発生した死亡事故率比較を見ると、使用しなかった場合に比べて約1.9倍高くなるという結果が出ているなど、依然として運転中の携帯電話使用はかなり危険であることが分かります。

 その一方で、疑問となのは信号待ちなどの一時的にクルマが停止した場合についてです。

 携帯電話等の使用に関して、道路交通法第71条第5号の5に以下のように定められています。

「自動車又は原動機付自転車を運転する場合には、当該自動車等が停止しているときを除き、携帯電話用装置等を通話のため使用しないこと、又は画像表示用装置に表示された画像を注視しないこと」

 条文では携帯電話の使用について、「自動車等が停止しているときを除き」と示されていますが、信号待ちなど一時的な停止についての携帯電話等の使用はどうなのでしょうか。

 これについて、元警察官Bさんは以下のように話します。

「確かに信号待ちの時はクルマが停止している状態といえますが、信号が青に変わっても気づかなかったり、車を発進させながらスマートフォンを操作してしまい、交通違反や事故の原因になってしまうことも考えられます。

 信号待ちの状態であっても、スマートフォンなど携帯電話の操作は控え、電話をとることも止めましょう。

 過去に私が警察官として交通取り締まりを行っていた際も、信号待ち中に携帯電話を使用していたドライバーに対しては、使用を控えるよう口頭で注意を促していました。

『ほんの少し見るだけだから構わないだろう』と発言するドライバーもいましたが、運転中に携帯電話を見る癖がついている人は、それだけ運転への注意が散漫になっているので、携帯電話に触らないよう意識することが大切です」

※ ※ ※

 スマホなどの携帯電話は気軽に見ることができますが、こうした安易に取った行動が大きな事故を引き起こす要因となる可能性があります。

 仮に事故を引き起こした場合には「携帯電話使用等(交通の危険)」という違反が成立し、違反点数6点で即免許停止となるだけでなく、刑事罰として「1年以下の懲役または30万円以下の罰金」が科される場合があります。

 このため、携帯電話を使う際には、駐車場など安全な場所に移動してから利用することを心がけるようにしましょう。