ワニ(アリゲーター)が多数生息することで知られる米フロリダ州で先月末、頭に大きなナイフが刺さったワニが目撃された。ワニはフロリダ州魚類野生生物保護委員会(FWC)の指示のもと数日後に捕獲されたものの、悲しい結末が待っていたようだ。『Sun Herald』などが怒りの声とともに伝えた。

米フロリダ州オーランドから48キロ(30マイル)ほど北に位置するボルシア郡デルトナで先月末、頭にナイフが刺さったワニの目撃情報が相次いだ。そんななか7月28日、地元コミュニティのFacebookに池の中から頭だけ出したワニの写真が投稿され、フロリダ州魚類野生生物保護委員会(FWC)が調査を開始した。

投稿された写真のワニは、頭のてっぺんにかなりの大きさのナイフが刺さっており、FWCは目撃情報があったデルトナのファストフードレストラン「サブウェイ」裏の池周辺を重点的に捜索、FWCが委託するワニの捕獲業者が31日に捕獲に成功した。

なおこれまでフロリダ州で捕獲されたアリゲーターの最大体長はオスの435.6センチ(14フィート3.5インチ)であるが、このワニは体長144.7センチ(4フィート9インチ)とまだ若い個体だった。しかしナイフによる刺し傷が致命傷となり、安楽死されている。

ワニの写真を最初に投稿したアマンダ・リーさん(Amanda Leigh)は「初めて見た時、ワニは左目を開けることができずにいた。ナイフによる傷が原因であることは明らかだった」と述べ、その日は多くの人が異様なワニの姿を観察していたことを明かした。そしてワニが安楽死されたことについて「捕獲した時に頭のナイフは抜けたようだった。ハッピーエンドでなかったことは残念だ」と語り、肩を落とした。

このワニがなぜ、ナイフが刺さったまま数日間でも生きることができたのかは不明だが、ワニ(アリゲーター)はフロリダ州にある67郡全てに生息しており、FWCの許可なしで故意に殺す、傷つける、捕獲するなどの行為は違法となる。しかしワニにナイフを刺した人物は今も特定できておらず、このニュースには「なんて残酷なことを!」「こうなることは予測できたはず。胸が悪くなるような話だ」「まだ小さなワニを襲ってどうするつもりだったのだろう」「ナイフを刺したけど、抜けなかったのだろうね。愚かだ」といった怒りの声が寄せられている。

ちなみにカザフスタンでは2年前、カスピカイアザラシが観光客とみられる男ら数人に失神するまで叩きのめされた。男らはその後、写真撮影を始めたそうで、当時の様子を捉えた動画がSNSで拡散すると非難の声が殺到していた。

画像は『Sun Herald 2022年8月3日付「Alligator seen with knife stuck between its eyes is euthanized, Florida officials say」(Amanda Leigh photo)』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 A.C.)