11日に昨季のCL王者レアル・マドリード対EL王者のフランクフルトが対戦するUEFAスーパーカップがフィンランドのヘルシンキで行われた。結果は2-0でレアルが勝利しており、CL王者が強さを見せるゲームとなった。

結果だけを見れば2-0となったが、点差以上に両チームの差は大きいと感じるゲームとなった。フランクフルトもチャンスはあったが、レアルのプレッシャーに苦しめられており、ボールが前進していない。対するレアルはカリム・ベンゼマとヴィニシウス・ジュニオールが縦への突破を行うことで全体を押し上げており、フランクフルトを苦しめていた。

日本代表鎌田大地はそんな苦しい中でも前線で輝きを放っていたといえる。敵陣でフリーとなれるポジションを見つけるのが上手く、味方と連携してパスをつなぐ。14分のシーンはビッグチャンスだったが、ティボー・クルトワの壁を越えられなかった。

鎌田の重要性を感じられたのは後半だ。オリバー・グラスナー監督は中盤のセバスティアン・ローデを下げ、攻撃的なマリオ・ゲッツェを投入した。ゲッツェはシャドーに入り、鎌田は一つポジションを下げたボランチでのプレイとなった。ボランチとなった鎌田だが、鋭い縦パスを供給するなどポジション変更後も存在感を示していたが、ゲッツェはゲームから消えてしまっていた。それであればゲッツェではなく、鎌田をシャドーに残したほうがよりチャンスは生まれたかもしれない。

今季から起用されることが多くなると予想できる鎌田のボランチ起用だが、これが生きるかはゲッツェにかかっている。いくら鎌田がボランチから鋭いパスを供給してもバイタルエリアで前を向ける選手がいなければ意味はない。鎌田はどちらかといえば攻撃的なボランチであり、嚙合わせるにはまだまだ時間がかかりそうだ。

クルトワとの一対一を作り出すなど攻撃面で存在感を見せていた鎌田。得点に絡むことはできなかったが、パフォーマンスは悪くなかったといえる。しかしフィリップ・コスティッチの不在は想像以上に影響があり、今季はどれだけコスティッチの不在を感じずに戦えるかが重要になりそうだ。