例年にない早さで梅雨が明けた2022年の夏。連日30℃を超える暑さが続いていますが、暑い日が続くと車にも様々な悪影響を及ぼします。

暑さが長く続くとどのようなトラブルが発生しやすくなるのでしょうか。

暑さが原因で起こる車のトラブルに注意!

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夏の暑い時期に起こるトラブルとしてよく言われているのが、バッテリーに関するトラブルです。バッテリーは高温状態になると蓄電能力が低下しますし、エアコンなどを使用すると多くの電力を消費します。

蓄電能力が低下している状態で多くの電力を消費する状態が続くと、バッテリーに負荷がかかり、バッテリーが上がってしまいます。

エンジンのかかりが悪いと感じたら、すぐにバッテリーの状態をチェックしておきましょう。筆者は毎年、本格的な夏がやって来る前に、バッテリーをチェックし、状態によっては交換するようにしています。

バッテリーがあがってしまい、エンジンがかからない場合は、すぐにロードサービスなどに救助を要請してください。

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タイヤは熱によって表面が劣化しやすくなります。さらに、走行中は摩擦熱によってさらにタイヤの温度が上昇します。そうなると、タイヤの表面に細かいひび割れが生じます。

またタイヤが熱せられることで、グリップ力が低下する「熱ダレ」と呼ばれる状態になることもあります。この熱ダレを放置しておくと、クルマを正確にコントロールできなくなり、最悪の場合、タイヤがバーストしてしまう可能性もあります。

乗車前には、タイヤにひび割れがないか確認してください。また、運転中にタイヤの違和感を感じたら、すぐに修理工場やタイヤショップなどで点検を受けてください。

また、夏にスタッドレスタイヤを履き続けているという方は、すぐにサマータイヤへ交換してください。降雪のない夏や秋の時期にスタッドレスタイヤを履き続けると、ロードノイズが大きくなったり、燃費が悪くなったりすることがあります。

なにより、曲がったときやブレーキをかけたときのグリップ力が低下する可能性があり、スタッドレスタイヤを履き続けるのはとても危険です。筆者も毎年6月の終わり頃までにはサマータイヤへ履き替えるようにしています。

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エアコン不具合も夏の暑さが原因で起こる定番のトラブルです。

夏場は、エアコンをフル稼働させることになりますが、そうなるとフィルターが目詰まりしたり、エアコンガスが不足して効きが悪くなったりします。

少しでも効きが悪いと感じたら点検するようにしましょう。

外気温が高くなれば、エンジンの冷却が追いつかなくなることも考えられます。そうなると、オーバーヒートが発生し、走行できなくなります。

筆者自身、数年前にエンジンを冷やすためのウォーターポンプ(ドイツ車によくある装置)が故障し、オーバーヒートした経験があります。

ポンプが故障すると、水の循環が止まり、エンジンルームを冷やすことができません。ボンネットを開けて熱を逃しても解決しないため、レッカー車を呼んで近くの修理工場に運んでもらいました。

エンジン内部のトラブルは事前に察知することが難しいため、車検だけでなく年に一度あるいは半年に一度の定期的な点検を欠かさないようにすることで、防止できるでしょう。

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暑い日が続く場合、後付けされたETCにも注意が必要です。特に直射日光に当たるような場所に取り付けたETCは、熱で正常に動作しなくなることがあります。

ETCカードのチップは熱で読み取り不可になることもあります。そうなると、ETCゲートを通過する際、正常に動作しないため、ETCバーが開かなくなってしまいます。

ETCを後付けする場合は、できるだけ直射日光が当たらない場所に取り付けてください。また、車内はかなり暑くなるので、ETCカードの入れっぱなしには注意してしましょう。

夏の日差しによってダッシュボードに異変も……

トラブルとまではいかないものの、イギリス車を新車で購入した筆者の知人は、夏の日差しが車にこんな影響を与えたと言っていました。

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「2010年にイギリス製のセダンを新車で購入しました。その3年後の夏、車に乗り込もうとしたところ、ダッシュボードがわずかに変色、変形していることに気づいたのです。

ダッシュボードやハンドルには、本革が巻き付けられていましたので、おそらく日差しや熱で変形してしまったのかもしれません。ハンドルも一番上の部分が少し変色していました。

イギリス車に限らず、すべての車に言えることですが、特に外車は車内の質感を向上させるために、本革や木材などが使われることがあります。

そのような素材を使用している車を停めておく場合は、日差しを遮るためのサンシェードや布などを敷いて、直射日光が当たらないようにするといいのかもしれません。

屋根付きの駐車場であれば問題ないかもしれませんが、私の場合、毎週のようにゴルフに出かけていて、屋根のない場所へ頻繁に駐車していたことも影響しているかもしれません。」

その後、この知人は車を売却することにして、ドイツ車に乗り換えることにしたそうですが、売却時にダッシュボードの変形、変色が査定額に少なからず影響したかもしれないと話していました。

夏は様々なトラブルが発生しやすい時期であると同時に、夏休みでドライブへ出かけることも増えると思います。出かける前に、車に異常がないか確認してから出かけるようにしてください。