8月10日、統一教会(現在は世界平和統一家庭連合)の田中富広会長が日本外国特派員協会で会見を行った。リアルタイムで会見について報じた『ミヤネ屋』(日本テレビ系)の“攻めの姿勢”がネットで大きな話題を呼んでいる。

連日、“政治家と統一教会の関係”について報じている『ミヤネ屋』。この日の放送では、かねて統一教会問題を追いかけているジャーナリストの鈴木エイト氏と全国霊感商法対策弁護士連絡会の紀藤正樹弁護士を呼び、番組を進行した。

会見の冒頭、田中会長は安倍晋三元首相(享年67)を撃った山上徹也容疑者が、教団への恨みを動機にして事件を起こしたことに触れ「社会を騒がせた」と謝罪。すると、すぐさま鈴木氏は「謝るポイントが違う。あくまで他人事です」とコメント。続けて「過剰なメディアの報道によって信徒に被害が出ている」と田中会長が言ったことに対しても、鈴木氏は「同情作戦ですね。姑息です」とぴしゃり。

さらに田中会長が「’09年、一部の信徒の経済活動が刑事事件として検挙された。当時の当法人会長が世間を騒がせた道義的責任を取って辞任いたしました」と言うと、鈴木氏は「教団側は信者が勝手にやったことと言っていますが、実際は教団が組織的にやらせていることなので、全く嘘をついています」と説明。

そして田中会長が教団に対する民事訴訟について「信仰が薄れることによって一度捧げた献金を返して欲しいとの要請がある。こういった要請には個別に適切に対応してまいりました」というと、鈴木氏は「どの口が言ってるんですかね」と厳しい姿勢を崩さない。また「霊感商法を行っていない」という田中会長に対して、鈴木氏は「商品を介在させない霊感商法をやっています」と指摘した。

15時から始まった会見は、田中会長のスピーチに30分、その後の質疑応答に30分を予定していた。しかし、田中会長は15時30分をすぎても司会者からの制止を振り切り、「名称変更で政治的圧力はない」という持論を続け、『ミヤネ屋』の放送終了時刻も間近に迫る。

すると司会の宮根誠司(59)から話を振られた紀藤氏は、田中会長が「係争中の裁判件数は’22年に5件」と会見で話したことに触れ「家族被害の相談は、一般的に裁判件数に入らない。どうやって家族で円満に解決するかという方向に誘導していく」といい、「今日の田中会長の会見は家族被害にほとんど触れていない」と疑問視した。

会見の様子を伝えつつ、専門家の解説をリアルタイムで交えた『ミヤネ屋』。連日、統一教会と政治家に関する問題に積極的に切り込み、注目を集めている。今回の“徹底的にツッコむ姿勢”もネットで積極的に支持されているようだ。Twitterには、こんな声が上がっている。

《今日の「ミヤネ屋 」、旧統一教会の外国特派員協会での会見の生放送で、逐次通訳者の通訳中に、鈴木エイト氏と紀藤弁護士が、田中会長の発言に、どんどん解説 & ツッコミを入れていて、最高でした》
《統一教会田中会長会見を鈴木エイト氏と紀藤弁護士が解説と否定やツッコミ(笑)映画の副音声コメンタリーみたいで面白い》
《統一教会の田中会長の会見の後の英訳の間の鈴木エイト氏の論破は変なコントより見応えあり》
《会見の嘘を即バラシするシステム 面白過ぎるじゃないですか。ミヤネ屋ええですねぇ》