車中泊はどこでも可能? コンビニやSA・PAの実態とは

 最近のアウトドアがブームをうけて、クルマで寝泊まりをする車中泊をする人も増えています。

 車中泊が可能な場所は、オートキャンプ場や「RVパーク」があります。

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 RVパークは、道の駅、温泉、ホテル、遊園地などが登録されている場合もあり、近くで食事や温泉を楽しめるといったメリットがあります。

 その一方で、身近なコンビニや高速道路のサービスエリア・パーキングエリア(SA・PA)などはどうなのでしょうか。

コンビニやSA・PAでの車中泊の実態とは(画像はイメージ)

 コンビニの場合、その駐車場は原則として買い物客のための駐車スペースです。

 また、暑い時期や寒い時期にはクルマのエアコンを利用することが多くなりますが、アイドリング行為は道路交通法第71条5号の違反する「停止措置義務違反」や、各都道府県のアイドリング禁止の条例違反に触れる可能性があります。

 アイドリングによる排ガスや騒音対策のため「長時間の駐車はご遠慮ください」との看板を掲げているコンビニも少なくないため、車中泊には適していないといえるでしょう。

 では、SA・PAではどうなのでしょうか。NEXCO東日本は情報サイト「ドラぷら」で、利用上の心得として以下のように記載しています。

「SA・PAは高速道路を利用されるお客さまの休憩などを目的としている施設であり、またその駐車可能台数には限りがあります。

 お客さまにSA・PAを快適にご利用いただくため、これに記載の各事項を守り、お客さま同士でゆずりあいながらご利用くださるようお願いします。」

 このほか禁止行為について、「みだりに火気の使用をすること」「キャンプやBBQを行うこと」「規定の目的に反し長時間にわたる駐車を行うこと」と記載がありますが、車中泊についての具体的な記載はみられません。

 SA・PAでの車中泊利用について、NEXCO東日本の広報担当者は以下のように話します。

「注意事項について、車中泊に関する具体的な記載がない理由には、そもそも車中泊というものが定義しづらいことが理由に挙げられます。

 高速道路は24時間走ることができるため、利用者のクルマで駐車しているのか休憩しているのかなど線引きが難しく、はっきりと禁止というのが難しいのが実情です。

 一方でSA・PAはお客さまの休憩を目的とした施設であり、休憩のためにつくられているので駐車台数が限られています。

 一時的な休憩というのは問題ないですが、休憩の枠を超えるような長時間の駐車はご遠慮いただきたいです。

 加えて、家庭用のゴミを捨てたり、アイドリングなどの迷惑行為もお控えいただくようお願いします」

車中泊の場所選びのポイントは?

 車中泊には場所によって禁止されているところもあるため、注意しなければなりません。ではどういったポイントに気をつければ良いのでしょうか。

 車中泊をする場所を選ぶ上でのポイントは、主に4点あります。

車中泊の場所選びのポイントは?(画像はイメージ)

 1つ目は、トイレが近くにある場所を選ぶことです。

 RVパークとして登録されている施設であれば、近くにトイレがある場合が多いと考えられますが、時期によって利用できない可能性もあるため、前もってしっかりと確認することが重要です。

 2つ目は、自分の目的に合った駐車場所を選定することです。

 例えば、温泉に入りたいのであれば温泉地に近い場所を、バーベキューを楽しみたいならバーベキューが可能なキャンプ場などを選ぶと、より一層旅を楽しめます。

 3つ目は、防犯面に配慮して駐車場所を選定することです。人気のない場所を避け、街灯があって明るい場所を選びましょう。

 寝ている間に盗難被害に遭う恐れもあるため、クルマの鍵をしっかりかけておくこと、必要以上に貴重品を持たないことも大切です。

 最後の4つ目は、周りの人に配慮して行動することです。アイドリングや夜遅くに騒ぐなどの行為は、他に車中泊をしている人や近隣住民への迷惑になります。

 暑い時期や寒い時期にアイドリングをしないために、持ち運びが可能な冷風機を持って行く、断熱シートを利用する、服装を調節するなど工夫を凝らすのも車中泊の醍醐味といえるでしょう。

 また、ゴミを片付けずに立ち去ることもマナー違反となるため、自分の出したゴミは必ず持ち帰るようにしましょう。

※ ※ ※

 コンビニやSA・PAは基本的に車中泊を前提とした施設ではないため、RVパークなど車中泊の認められた場所を選ぶことが賢明といえます。

 いずれの場合でも、使用料金や条件などをウェブサイトで事前に確認しておくと良いでしょう。