マイカーを持っていない人にとっては、レンタカーやカーシェアは便利な存在です。
しかし、トラブルを起こした利用者は車が借りられなくなるなどのペナルティはあるのでしょうか?レンタカー店が”ブラックリスト”を持っているのかどうか、調査してみました。
レンタル客の”ブラックリスト”は存在する?
レンタカー店には「貸渡注意者リスト」と呼ばれる共有データが存在します。
日本全国のレンタカー会社は、あるトラブルが生じた際、「一般社団法人全国レンタカー協会」へ報告します。トラブルの内容が貸渡注意者リストに登録される要素に該当すれば、そのまま利用客のデータが登録されるとのこと。これがいわゆる”ブラックリスト”というわけです。
全国レンタカー協会へ加盟しているレンタカー会社は、情報管理システムを通じて利用客が「貸渡注意者リスト」に登録されているかどうかチェックできるようになっています。
これにより、貸渡注意者リストに登録されたユーザーは、全国各地のレンタカー店へ足を運んでも車が借りられなくなる可能性が高くなります。
全国レンタカー協会の広報担当者からは、「貸渡注意者リストに登録される期間は7年間です。7年の間、御社がもつ貸渡注意者リストの管理システム上に残り、期間が経過したデータは抹消される流れとなります。」との回答をいただきました。
レンタカーで事故ると載ってしまうのか?
どのようなことをすると貸渡注意者リストに載ってしまうのでしょうか? 1つ目が「車両の未返却」です。
利用客は「6時間」や「12時間」あるいは「7日間」など時間数や日数を指定してから、レンタカー店で車両を借り受けます。もし、返却が遅くなりそうであれば、借り受け期間の延長を利用客側がレンタカー会社へ連絡して了承をもらい、通常料金に加え延滞金を支払う流れが一般的です。
しかし、ごく稀に車両を返却せず、レンタカー会社からの催促も無視し続け、連絡が取れなくなる利用客がいるとのこと。そのような事態になった際、レンタカー会社は警察へ盗難届を提出し、全国レンタカー協会へ報告する流れとなっています。
2つ目が「放置駐車の違反未対応」です。
レンタカーも自家用車と同様、駐車禁止の道路に放置して違反をすると運転者(ドライバー)、つまり利用客に責任が生じます。違反金と運転免許への違反点数が加算される仕組みです。
にもかかわらず、違反金と免許の違反点数に加点されるのを免れたいがため、警察への出頭を放棄する利用客がいるそうです。
利用客が違反に応じないとなれば、「使用者」として車両の管理をしているレンタカー会社に責任が移り、利用客の代わりに違反金を支払わなければなりません。
レンタカー会社は利用客に対して違反金の催促を行いますが、応答がなければ全国レンタカー協会へ報告が行われて、利用客の情報を貸渡注意者リストへ登録する流れになっています。
ブラックリストと聞くと「レンタカーで事故を起こした人」が載りそうなイメージがありますが、実は交通事故については、貸渡注意者リストに登録される原因とはなりません。
警察へ事故の届け出を行い、車両の弁償など対応すべき事項を行えば、レンタカーを利用できなくなる可能性は限りなく低いでしょう。
車を返さない、違反を自身の責任と認めず対応しないという非常識な行いで、7年間もレンタカー店から車を借りられなくなるのは当然の結果といえます。
レンタカー会社側でも警察への通報や全国レンタカー協会への報告に加え、独自で貸渡注意者リストを設けるなど、悪徳な利用客への対策を進めています。
顧客側も、借り受ける前に契約条項をチェックし、マナーを守ってレンタカーを利用したいものですね。
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