猛暑と節電意識によって今年の夏は寝苦しさマックス!疲れが取れない諸兄のために、眠れるカラダをつくるメソッドを大研究。

 今回は、マンチェスター・ユナイテッドやレアル・マドリードなど名門サッカークラブも導入している「90分×16」サイクルを紹介。最新の睡眠メソッドで「眠れるカラダ」をつくろう。

◆翌日のハイパフォーマンスを引き出すため「睡眠」

「アスリートも会社員も睡眠の質を上げる目的は一緒です。翌日のハイパフォーマンスを引き出すための、ハイリカバリーを得る手段なのです」

 そう説くのは、アスリートに睡眠を指導するスリープコーチの矢野達人氏だ。実は彼が指導する睡眠法は、ある世界的権威のメソッドだという。

「マンチェスター・ユナイテッドやレアル・マドリードなどの睡眠マネジメントを歴任した、ニック・リトルヘイルズさんという方がいます。僕は日本で唯一、契約を結んで彼のメソッドを伝えています」

◆睡眠時間は一日90分×何サイクル取るか

 この睡眠法で特徴的なのは、一日を90分単位で分割し、計16のサイクルの集まりとして捉えるところだ。

「なぜ90分かというと、体内時計といわれる身体が刻むリズムが90分単位だからです。睡眠はノンレム睡眠(脳を休める時間)とレム睡眠(記憶の整理や定着をする時間)というステージで構成され、それを一晩で何度か繰り返します。この考えをベースに、睡眠時間は一日90分×何サイクル取るか、と考える。

 毎日徹底することが難しい場合は1週間で『一日5サイクル×7日=35サイクル』の睡眠を確保すること。ただ、たとえ4サイクルしか寝られない日があっても、翌日の日中に仮眠を取って回復すれば、それも1サイクルと考えてOK。ただ単に睡眠時間を確保すればいいわけでなく、十分な回復をすることが目的なのです」

◆コーヒーを飲んでから15〜20分の仮眠

 仮眠の時間設定にもコツが。

「一日のなかで休息を取るタイミングは2回あります。12〜14時頃と、17〜19時の間です。ここで長時間寝てしまうと脳の温度が下がりだしスッキリ起きられなくなるので、15〜20分程度がいいでしょう。その際には仮眠前にコーヒーを飲む。カフェインの覚醒作用は摂取してから約20分後からなので、仮眠前に飲めばスッキリ目覚められます」

◆瞑想で脳の“プチクリーニング”

 矢野氏曰く、「最近ではNASAの研究でも仮眠の効果が証明されている」という。また、仮眠できないときは2分間の瞑想も有効だとか。

「90分ごとに2分間、目を閉じて瞑想する。日常生活で脳は膨大な情報処理に追われていますが、いったん視覚を遮断し、脳の“プチクリーニング”をするイメージです。故コービー・ブライアントも、試合の休憩時間にはゴールの支柱と額の間にボールを置いた状態で、プチ瞑想をしていたという逸話もあるほどです」

 まさに、90分の使い方次第で人生は変えられるのだ。

◆自分に適した睡眠時間は「睡眠日誌」で導く

 矢野氏が指導するアスリートに書いてもらうのが、この「睡眠日誌」。夜の睡眠時間や日中の仮眠時間などを記録し、翌日のパフォーマンスとの体感比較で「最も効果があった睡眠時間」を可視化していくという。

「布団に入った時間、出た時間、眠れた時間を記入して『実際の睡眠時間÷布団にいた時間×100』(睡眠効率)が85%を切らないように指導しています」。最高の睡眠とは、自分に最も合った睡眠スタイルなのだ。

【スリープコーチ・矢野達人氏】
プロアスリートへの睡眠指導や快眠サロン運営まで幅広い睡眠事業に携わる。ニック・リトルヘイルズ氏と国内独占契約を締結

取材・文/週刊SPA!編集部

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