天敵だった広島から敵地で逆転勝ち、元守護神のケラーが来日初セーブ

■阪神 7ー5 広島(7日・マツダスタジアム)

 阪神は7日、敵地・マツダスタジアムで行われた広島戦を7-5で勝利し、4カード連続勝ち越し。首位・ヤクルトとのゲーム差を8.5に縮めた。“元守護神”のケラーが来日初セーブをマークし勝利した一戦を、現役時代に阪神、ヤクルトなど4球団で計21年間捕手として活躍した野球評論家・野口寿浩氏は「いい1勝になった可能性が高い」と語った。

 前夜の悪夢を吹き飛ばす逆転劇だった。3点を追う5回にロドリゲスの2号2ラン、続くロハス・ジュニアの6号ソロの2者連続アーチで同点。さらに8回は1死二塁から島田の適時二塁打、佐藤輝の中犠飛で2点を勝ち越し。9回は2連投中だった守護神・岩崎に代わりケラーが危なげなく無失点で締め、来日初セーブを挙げた。

 敵地で逆転勝利を挙げたチームを野口氏は「前夜に打たれた岩崎が投げない中でも、ケラーが安定した投球。今後のことも考えても、カバーできる投手が作れたのは大きい。いい1勝になった可能性が高い」と、厚みを増したブルペン陣を評価した。

開幕当初は不振だったケラーは「日本球界に対応しようとする姿が感じられる」

 先発のガンケルが4回5失点で降板したが、その後は5人の投手リレーで無失点。その中でもケラーは伸びのある直球、フォークを武器に開幕当初とは別人の姿を見せている。「開幕は球速は出ていたが“嫌な真っすぐ”じゃなかった。カーブに頼りすぎて日本人打者は苦にしなかった。それが、今は真っすぐの質が上がり、フォークも覚えた。日本球界に対応しようとする姿が感じられる」と野口氏。

 苦手の広島から今シーズン初のカード勝ち越し。さらに、チームが連敗したのは7月1日の中日戦(バンテリンドーム)での4連敗が最後。7月2日から1か月以上も連敗知らずと後半戦は安定した戦いを見せている。

「もちろん、投手陣の踏ん張りも大きいが点を取らないと勝つことはできない。好調だった上位打線に下位打線にもロドリゲスが入って印象に残る活躍を見せている。ようやく投打が噛み合ってきた。この先も打線が打てない時期が必ずくる。そういう時に投手が頑張る。いい方向に循環していけば、ミラクルも見えてくるのではないか」

 先発、リリーフを含めた盤石の投手陣に、得点力を上げてきた下位打線。夏場を迎え連敗知らずのタイガースはどこまで勢いを持続できるか注目だ。(橋本健吾 / Kengo Hashimoto)