豊川悦司主演で、時代小説家・池波正太郎の代表作を二部作で映画化する『仕掛人・藤枝梅安』『仕掛人・藤枝梅安 2』のビジュアルと、『シン・ウルトラマン』の樋口真嗣が制作した特報映像が公開された。

 「仕掛人・藤枝梅安」は、殺し針で人知れず悪を葬る裏稼業を請け負う鍼医者・藤枝梅安の活躍を描いたハードボイルド作品。1972年に「小説現代」(講談社刊)で第1作が発表されて以降、1990年までの間に20作が発表されるベストセラーとなった。映像作品において、緒形拳、田宮二郎、萬屋錦之介、小林桂樹、渡辺謙、岸谷五朗など、そうそうたる俳優陣が演じてきたダークヒーローが、池波正太郎生誕100年の節目となる2023年に蘇る。

 ビジュアルでは、豊川ふんする梅安を中心に、相棒の彦次郎を演じる片岡愛之助、梅安が心を許す女性・おもん役の菅野美穂、梅安の身の周りの世話をするおせき役の高畑淳子、鍼の師である恩人・津山悦堂役の小林薫らレギュラー陣の姿が公開。

 さらに、第一作で本所両国の香具師の元締・羽沢の嘉兵衛を演じる柳葉敏郎、悲しき過去を背負う女性・おみの役の天海祐希、そして、第二作でかつて彦次郎の妻子を死に追いやった浪人・井坂惣市役とその双子の兄・峯山又十郎役を一人二役で務める椎名桔平、梅安を狙う仕掛人・井上半十郎役の佐藤浩市ら豪華キャストが顔をそろえている。監督は河毛俊作、脚本は大森寿美男が務めた。

 樋口真嗣の手掛けた特報映像は、本編でも音楽を手掛ける川井憲次(『GHOST IN THE SHELL 攻殻機動隊』)の書き下ろし楽曲との相乗効果で、令和に生まれた時代劇の新たな表現軸を期待させる仕上がりとなっている。

 『仕掛人・藤枝梅安』第一作は2023年2月3日、第二作は4月7日より新宿ピカデリーほかで全国公開予定。ストーリーは以下の通り。(編集部・入倉功一)

『仕掛人・藤枝梅安』

江戸の郊外、品川台町に住む鍼医者の藤枝梅安にはふたつの顔があった。腕の良い鍼医者の表の顔と、生かしておいておかみは為にならない奴らを闇に葬る冷酷な仕掛人の裏の顔だ。ある日、梅安は料理屋を訪ね、仕掛の標的である内儀の顔を見て息を呑む。それは梅安に暗い身の上を思い出させる対面だった…。梅安の仕掛は果たしてどんな決着をみせるのかー。

『仕掛人・藤枝梅安 2』

梅安と相棒の彦次郎は京に向かっていた。道中、彦次郎は男の顔を見て「あの野郎許しておけねぇ」とつぶやく。男は彦次郎の妻と子を死に追いやった憎い仇だった。一方、梅安は上方の顔役で殺しの依頼を仲介する元締に、彦次郎の仇の仕掛を頼まれる。その時、梅安の顔を見て目を見張る浪人・井上半十郎がすれ違う。井上と梅安もまた憎悪の鎖でつながれていたのだ。彦次郎と仇、梅安と井上、それぞれの暗い因縁に決着をつける時がきた。