日野の「デュトロZ EV」を導入

 ヤマト運輸は2022年7月29日、日野の国産小型商用EVトラック「デュトロ Z EV」を、8月10日から首都圏を中心に順次500台導入すると発表しました。量産型の国産小型商用EVトラックの導入は国内で初めてといいます。

ヤマト運輸が導入する量産型の国産小型商用EVトラック「日野デュトロ Z EV」(画像:ヤマトホールディングス)

 ヤマトグループは、2050年の温室効果ガス排出実質ゼロや、2030年の温室効果ガス排出量48%削減(2020年度比)の実現に向けた施策の一つとして、2030年までにEV2万台の導入目標を掲げています。

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 導入するデュトロZ EVは、ウォークスルー構造と超低床が特徴です。運転席から荷室への移動がしやすく(ウォークスルー)、作業性が向上。また、床面地上高は約400mmと低いため荷室への乗降もしやすく、ドライバーの負担を軽減します。

 車両総重量は3.5t未満、サイズは全長約4.7m、全幅約1.7m、全高約2.3mとコンパクトで、普通免許でも運転が可能。

 40kWhのリチウムイオンバッテリーを搭載し、最高出力50kWのモーターで走ります。高い静粛性を確保し、都市部や住宅街での宅配業務の作業効率も考慮しています。

 安全装備は、誤発進抑制装置(前進・後退)をはじめ、PCS(プリクラッシュセーフティシステム)、電子インナーミラー、車線逸脱警報などを備えます。

 2021年11月からヤマトと日野は共同で、このデュトロZ EVを用いた集配業務の実証実験を実施。温室効果ガスの排出削減効果や、集配業務の効率性・実用性について検証し、効果を確認できたといいます。

 導入エリアは首都圏を中心に、中部や関西へも広げていく計画です。

 ヤマトは、7月27日にはCommercial Japan Partnership Technologies(CJPT)と共同で、電動車普及に向けてカートリッジ式バッテリーの規格化・実用化の検討に乗り出すことも発表しており、今後もEV活用を推進していく方針です。