ウェザーニューズは2022年6月に「猛暑見解2022」を発表した。
それによると、今年は全国的に平年より暑い夏となり、暑さのピークは7月後半と8月後半で、西日本と東日本では厳しい残暑になるとのこと。

そんな日本の暑い夏を乗り切る秘密兵器として、モバイルできる冷却グッズを紹介しよう。
世の中にある様々な種類の冷却グッズの中から、ここではペルチェ素子を利用したソニー「REON POCKET 3」とサンコー「ネッククーラーSlim」の2製品を紹介する。後者は貸出機による使用感をレポートする。


■機能に改良を加えた3台目のウェアラブルサーモデバイス!ソニー「REON POCKET 3」


ソニーのウェアラブルサーモデバイス「REON POCKET 3」

「REON POCKET 3」は、ソニーが発売するウェアラブルサーモデバイスだ。
本体サイズは約幅54×高さ20×奥行116mm、重さは約92g。
直販価格は、1万4,850円(税込)。本体のカラーバリエーションはホワイトのみ。

「REON POCKET 3」は、本体接触部分を冷やしたり温めたりして、身体の温度を調整できる。REON POCKETシリーズとしては3世代目の製品で、前モデルと比較して機能的な面で強化された。

具体的には、新開発したサーモモジュールと放熱機構により、従来比で最大約2倍の駆動時間と、最大約1.5倍の吸熱性能を備える。
また、従来比約1.7倍となる最短60分で90%の急速充電を実現した。


「REON POCKET 3」の構造。

「REON POCKET 3」は個人に合せた温度調節機能が強化されており、行動や環境に合わせて冷却温度を自動調整する「SMART COOL MODE」機能を新たに搭載した。

具体的には、本体のセンサーが、冷温部の状態やユーザーの行動をセンシングして、周囲の温度変化に合わせ、冷却レベルを自動で調整してくれる。これにより個人の好みに合った温度を持続して使用できる。



進化した専用ネックバンド「NECKBAND 2」。

使い勝手への配慮も見られる。
「AUTO START/STOP」機能は、冷温部の状態やユーザーの装着・脱着動作をセンシングして、自動的に冷却や温熱を開始、あるいは停止する。専用アプリを起動する手間がなく、手軽に「REON POCKET 3」を動作させられる。

オプション扱いとなるが、首にかけるバンド部分の角度調整ができる専用ネックバンド「NECKBAND 2」も販売されている。NECKBAND 2は個人に合わせて首にかけるバンド部分の角度を調整できるため、より安定した装着性を実現できる。

見ためにも美しい「REON POCKET 3」本体は、吸気や排気の機構に配慮した本体設計により、襟が高いデザインの衣類に装着したときでも、空気の循環を維持して、冷却性能を損なわないデザインとなっている。


■体感温度-17度を実現!サンコー「ネッククーラーSlim」


サンコーの首掛け式の冷感ギア「ネッククーラーSlim」

「ネッククーラーSlim」は、サンコーの首掛け式の冷感ギアだ。
本体サイズは約幅130〜160×高さ45×奥行80〜160mm、重さは約200g。
直販価格は、6,480円(税込)。本体のカラーバリエーションは、ホワイトとブラックの2色。

「ネッククーラーSlim」は本体接触部を冷却するもので、温めはサポートしていない。
ネック部分は約37〜50cmまでの長さ調節ができるため、適切な位置に冷却プレートを調整できる。

屋外だけでなく、室内でも快適に過ごせるように、本製品は3つのモードを搭載する。
・強モード 屋外での暑さ対策に適したモード
・弱モード 室内での温度調整に適したモード
・ゆらぎモード 長時間使用したいときに使用するモード。10秒ごとに強弱を切り替える。

バッテリー駆動時間の目安は、
・強モード 約1時間
・弱モード 約2時間

別売の10000mAhのモバイルバッテリーを使用すれば、
・強モード 約5時間15分
・弱モード 約10時間30分
5V 2A以上の出力に対応したモバイルバッテリーであれば、他社のバッテリーでも使用可能だ。


金属部分が身体に接触する。


■「ネッククーラーSlim」の仕組みと検証
「ネッククーラーSlim」の冷却の考えは、身体の大きな血管を冷やすというものだ。
大きな血管を冷やすことで、その血管を流れる血液が効率的に冷え、体温を下げられる。

冷却の仕組みは、「REON POCKET 3」も同じで、ペルチェ素子を利用している。
ペルチェ素子に直流の電源を流すと、片面は冷たく、もう片面は熱くなる。
冷たくなった面を身体に密着させて、熱くなった面は小型ファンにより冷却する。
ペルチェ素子は、小型の冷蔵庫やCPUクーラーなどで使用されており、本体を小型化でき、効率的に冷却できる。

「ネッククーラーSlim」を使用した第一印象は、想像以上に冷却効果が高かったことだ。
電源を入れてから2秒で冷たくなる。冷たさは、氷を肌に接触させているのと同じイメージだと言えば、わかりやすいだろう。猛暑日でも、「ネッククーラーSlim」があれば、なかなか快適に過ごせる。

室内にいると小型ファンの音が気になるものの、屋外ではノイズが多いせいか、さほど気にならない。とくに電車内では、走行音や車内放送により、ファンの音が打ち消される。

ネッククーラーはもともとPCM素材の製品が流通していた。PCM素材は、水よりも高い融点を持った素材だ。
たとえば、28度のPCM素材は、28度以下で凍結するため、夏場はエアコンが効いた室内、あるいは水に浸しておくだけで凍結可能だ。

しかし、28度のPCM素材を屋外で凍結させるのは難しい。21度や18度のPCM素材であれば、なおさら困難だ。

その点、「ネッククーラーSlim」は、バッテリーさえあれば、いつでも冷たい状態を維持できる。万が一、バッテリーが切れたとしても、手持ちのモバイルバッテリーで充電しながら使用可能だ。

まだまだ猛暑日は続きそうだ。冷却グッズの購入を考えている人は、ここで紹介したペルチェ素子の冷却グッズを検討してみるとよいだろう。

ソニー、ウェアラブルサーモデバイス「REON POCKET 3」
サンコー、首掛け式の冷感ギア「ネッククーラーSlim」




ITライフハック 関口哲司