この記事をまとめると

■クルマの電動化は着実に進んでいる

■ではバイクはどうか?

■バイクの電動化の現状、また免許区分について改めて解説する

ホンダの電動二輪はカセット式のバッテリーを採用

 クルマではEV化が着実に進んでいて、ニューモデルも続々と登場しているのはご存じのとおり。反対意見などはあるものの、流れとしては止まることはないだろう。一方、気になるのがバイクの世界だ。電動化と相性がいいように思えるし、バッテリーを積むところに制限があるので、高い性能を確保できないようにも思える。クルマを中心に見ていると、今ひとつ現状がわからないが、改めて調べてみた。

 まず結論からというと、ひとつひとつ解説するとキリがないほど非常に普及している。とくに遠くまで行かない、シティコミューター的な使われ方をする原付クラスが多く、日本のバイクメーカーもリリースしている。いい例がテレビ番組「出川哲郎の充電させてもらえませんか?」。番組ではバッテリー切れが頻繁に起こるが、それでも走行距離を見てみると、近所のチョイ乗りであれば十分すぎる性能だ。

 ホンダはかなり積極的なメーカーで、テレビCMでもやっているようにカセット式のバッテリーを採用することで、電動アシスト式自転車的な使い勝手のよさを実現していて、すでに郵便配達に使われ始めている。

 また、バイクメーカーだけでなく、自転車にバッテリーとモーターを付ければ簡単にできることから、中国を中心とした家電メーカーも参入していて、今までのバイクやスクーターの概念にはない、スマートだったり、ユニークなデザインのものが多く登場している。

 さらに大きなクラス、ビッグスクーターでは、BMWがCE 04というモデルを出したばかり。サイバーなデザインに加えて、走行可能距離は約130kmで、実用性も高い。お値段は161万円だ。

免許については注意が必要

 そして大きな話題になったのが、あのハーレーの電動バイク。ライブワイヤーと呼ばれるモデルで、こちらもハーレーらしさに未来感をプラスした、今までにないデザインになっている。肝心の走行可能距離は235kmなので、実用性も高い。価格は349万3600円とけっこうするが、クルマのプレミアムモデルに比べれば安いとも言える。ちなみにボッシュが電動化ユニットを販売しているので、電動化は比較的簡単なだけに、今後も増えていくことは確実だろう。

 最後に免許について触れておくと、日本の二輪免許は排気量によってわけられているため、電動バイクやスクーターに即していないことが指摘されていた。現状では、モーターの定格出力で対応している。具体的には下記のとおりだ。

・0.6kW以下=原付一種(50cc以下)

・0.6kW超1.0kW以下=原付二種(50cc超125cc以下)

・1.0kW超=軽二輪(125cc超)

 BMWのCE 04はベースが650ccのモデルなのでかなり大きいものの、定格出力は19kWなので、普通自動二輪、いわゆる以前の中型二輪で乗ることができる。ただし、これは道路運送車両法に基づく車両の区分で、免許はまた別の話だったりする。125ccのバイクが原付二種と呼ばれ、免許は小型自動二輪になるのと似ていて、定格出力が20kWを超える場合は大型自動二輪の免許が必要で、勘違いして乗ると無免許になる。

 ただし車検は不要なのがこれまた紛らわしくて、最初は小さなスクーターから始まって大型なモデルが増えてきたことによる、ねじれ現象的な状態になっている。国土交通省によれば、変更するかもしれないとのことなので、今後の改正に注目したい。