ポーランドの主要学術機関であるポーランド科学アカデミー(PAN)の自然保護研究所が作成した外来種データベースに飼いネコ(イエネコ)が追加され、「侵略的外来種」に認定されました。この決定に愛猫家が激しく反発しました。

Gatunki obce w Polsce

https://www.iop.krakow.pl/ias/problem/czesto-zadawane-pytania

Cats classified as invasive species by Polish scientific body | Notes From Poland

https://notesfrompoland.com/2022/07/19/cats-classified-as-invasive-species-by-polish-scientific-body/

Cats Are An Alien Invasive Species, Poland Declares

https://www.vice.com/en/article/m7gvzp/cats-are-an-alien-invasive-species-poland-declares

2022年7月、ワルシャワ生命科学大学の外来種を専門とする生物学者、ラファウ・マシアシェク氏は、1999年から集計されているPANの外来種リストにイエネコ(Felis catus)が追加されたことを明らかにしました。これに対し愛猫家が激しく反発し、国内で大論争に発展したとのこと。

PANが論争を受けて公開したブログによると、イエネコを構成するネコ科の動物は、ナイル川流域からメソポタミア南部に広がる古代近東の偉大な文明の発祥地で約1万年ほど前に家畜化されたとのことで、「純粋に科学的な観点からは、ポーランドを含むヨーロッパではイエネコは外来種と見なされるべき」と述べられています。

この発表がネコの飼い主に混乱と不安を引き起こしたため、ポーランドの環境保護当局は「イエネコは国やEUの公式な外来種リストには含まれていないため、規制の対象にはならず、飼育や売買に許可は必要ない」と公式な見解を示しました。

イエネコを外来種とする意見に反発がある一方で、イエネコを在来種とする意見も科学者から反発を受けていました。2021年、ポーランドの主要野党がイエネコを「都市の生態系の不可欠な一部」として法的に認める法案を提出したところ、多くの科学者から批判を浴び、イエネコは外来種であることが指摘されていました。

2019年に国際科学誌「Global Ecology and Conservation」に発表された研究によると、外で自由に歩き回ることが多いイエネコはポーランドで毎年6億3000万匹以上の哺乳類と1億4000万羽以上の鳥類を殺しているそうです。

外来種リストにイエネコを含めることで、例えば「イエネコはポーランドの自然の一部である」と主張する地方自治体の主張を封じることができるとマシアシェク氏は述べています。仮にイエネコを在来種であるヤマネコやオオヤマネコと同等に扱うような主張がなされても、外来種と定義したことで主張を退けられる可能性があるということです。

PANはブログにて「イエネコが在来の生物多様性に悪影響を及ぼすという明確な科学的証拠がある以上、わが国では侵略的外来種としてカウントされるべきなのです。この意見は、欧州委員会の外来生物チームが策定した意見と一致しています」と述べました。環境保護当局はイエネコの飼育・売買に許可は必要ない点を述べつつ、イエネコは野生動物、特に鳥類にとって深刻な脅威となりうるので、飼い主が適切な監視をしないまま屋外に出してはならないと強調しました。