夏から秋にかけ、活動が活発化するスズメバチ。一般に、スズメバチは木の枝や空家の軒下など、空気の流れが少ない場所に巣を作るとされますが、時に思いもよらない場所に営巣することも。庭師さんが仕事先で、麦わら帽子の中にスズメバチが営巣している様子を発見しました。

 近年、スズメバチは森林や山ばかりでなく、時には人家に近いところでも遭遇することがあり、不用意に近づいて襲われるケースが報道されることもしばしば。特に巣が近くにある場合、防衛本能からより攻撃的になります。

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 今回「麦わら帽子を外に放置した際のリスクの一例がこちらです」と、麦わら帽子の中にスズメバチが営巣していたことをTwitterに投稿したのは、岐阜県中津川市で造園業を営むKiyoshi Yasueさん。

 今年、仕事先でスズメバチに遭遇するのは4回目だそうで「例年アシナガバチにはよく遭遇しますが、今年はスズメバチも多い気がします」と語ってくれました。

 同じ中津川市のお宅から、庭木の手入れを頼まれたYasueさん。前日にお家の方がハチに刺され、病院で手当を受けて無事だったという話を聞いて、警戒しながら現場に入ったといいます。

 ハチに刺された方から「帽子の中からハチが出てきたので、その中にいると思う」と言われたため、遠くからスズメバチでも効くタイプの殺虫剤を麦わら帽子の中に散布。逃げ出すハチがいなくなるまで散布したのち、少し時間を置いてハチが周辺にないことを確認して帽子をひっくり返したところ、頭が収まる部分に立派な巣が。

 帽子の中にスズメバチが営巣しているのを見たのは初めてだったそうで、珍しいケースだったのかもしれません。

 普段は剪定作業中に遭遇することが多いそうで、特に枝葉が込み入った木の場合、スズメバチがいるものと思って警戒しながら作業する、というYasueさん。それでも、やはり刺されてしまうことがあることから、次のように話してくれました。

 「僕らは仕事なので、しっかりと準備・道具を揃えた上で巣を取り除き処分しています。が、一般の方がご自身で駆除するのは難しいので、業者に頼んだ方がいいと思います」

 スズメバチは体が大きく、毒も比較にならないほど強力なので、素人が安易に駆除しようとするのは大変危険。Yasueさんからは経験談をもとに、ハチが集中的に飛んでいたり羽音がする場合は、近くで営巣している可能性があるので被害が出る前に役所へ相談し、専門業者を紹介してもらった方がよい、と語ってくれました。

 筆者も先日、割と人通りのある屋外でスズメバチが目の前を通り過ぎる経験をしたばかり。幸い刺されることはありませんでしたが、まさかと思う場所で遭遇する可能性もあります。身の回りにスズメバチが好むような場所はないか、改めてチェックしておくといいかもしれません。

<記事化協力>
Kiyoshi Yasueさん(@kyckyc)

(咲村珠樹)