パキスタン最大の都市カラチに、両耳合わせて54センチという驚異的な長さの耳を持つ子ヤギがいる。2022年6月に生まれたばかりのこの子ヤギだが、飼い主は耳の長さの記録をギネスブックに載せたい考えだという。どこか神秘的な子ヤギの姿はSNSで話題を集めており、『Ladepeche』などの多くのメディアが伝えている。

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生後1か月余りの子ヤギ“シンバ(Simba)”は長い耳を持って誕生した。その耳の長さは生まれた当初は48センチだったが、現在は54センチもあるという。このヤギの品種はパキスタンの山岳地帯に生息するミミナガヤギとみられている。長く垂れ下がった耳が特徴的で、その長さは成体で30〜40センチに成長する。なおこの長い耳は体温調節に役立っているそうだ。シンバの耳は、生まれた時から大人のヤギの耳の長さを上回っていたため多くの人を驚かせた。

Twitter上では、シンバの耳に対して「牛肉を吊るしているみたい…」「可愛い」といったコメントや、長すぎる耳によって「シンバの生活に支障をきたすのでは」といった心配する声もあがっている。

飼い主の繁殖業者モハマッド・ハサン・ナレジョさんは、シンバがギネスブックに登録されるかどうかを確認するため、すでに同団体に問い合わせたという。しかし現在のところ、同団体のウェブサイトには「世界最長のヤギの耳」のカテゴリは表示されていない。

シンバの長い耳がギネスブックに登録されるか否かは分からないが、モハマッドさんによるとシンバは「生後10〜12日で国内外のメディアに登場し、美人コンテストで優勝した」と語っており、パキスタンのメディアではすでに有名な存在だという。モハマッドさんは「(シンバが生まれて)30日後には、25年から30年かけて名声を得た有名人と同じほどの人気者になった」とも誇らしげに話している。

そんなシンバだが、普段は小動物に踏まれないように耳を背中側に折り曲げて過ごしている。確かに動画ではゆらゆらと揺れる長い耳が可愛らしいが、歩行の際に踏んでしまいそうで危険である。モハマッドさんはシンバの耳にとても気を遣っており、長い耳を首にかけるためのハーネスを考案したという。

一方でモハマッドさんはシンバが大きく注目されていることに若干の不安を抱えており、競合するブリーダーの視線も気になるようだ。周囲の恨みを買うことのないようにイスラム教の聖典コーランの節を唱えたり、シンバに息を吹きかけて邪気を払ったり、またコーランの節の力を帯びた黒い糸をシンバに巻きつけたりと、お祈りや古くからの言い伝えを順守しているそうだ。

モハマッドさんは今後、シンバをサラブレッドのように大切に育て、パキスタンをヤギ飼育の大国としてアピールしていくつもりだという。

画像は『20 Minutes 2022年7月7日付「Avec ses oreilles de 54 cm, ce chevreau enflamme les réseaux sociaux」』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 H.R.)